第一部 十章 初めてのパジャマパーティー? 皆が泊まりに来てくれた!

第153話 いろいろあるけど全部たまたま(陽菜視点)

 今年の3月の最後の日は金曜日だった。

 そんな春のうららかな午後に私は生まれてから今までで一番緊張するくらい緊張していてテンションが高かった。


 ピンポーーーーン

 家のチャイムが鳴る。


 トトトトトトッ ガチャッ

 階段を駆け下りて玄関のドアを開ける。ドアを開ける私の後ろからお母さんが台所から出て一緒に並んだ。


「いらっしゃいみんな」

 私がみんなに挨拶する。今日は生まれて初めて女の子の友達が私の家に泊まりに来てくれた記念日になった。嬉しくて日記が10ページくらい書けそう。


「おじゃまします。お母さま、こちらはうちのお母さんから、後でお夕食の準備を手伝いますので私が料理させていただきます」

「今日はよろしく頼む、友人の家に泊まるなんて初めてだからおかしなところがあったら指摘してくれ。これはうちの家から持ってきた食材だ」

「ち~す、お願いしま~す。恭っちの秘蔵写真、見せて貰ってもイイ?」

「お泊りなんだよ。パジャマパーティーよろしくなんだよ」

 それも4人も一緒にお泊りに来てくれた。まるちゃんが言った通りパジャマパーティーだ。


 いつものお昼ご飯のメンバーの女の子。さすがに男の子の恭介くんと男の娘のゆうきくんは呼んでいない。


「本当に私の部屋で良かったの? 寝るとき狭いと思うけど。みおちゃんちとか小烏こがらすさんちとか広いんだよね?」

「皆で決めたじゃん、陽菜っちの部屋からだったら恭っちの部屋が見られるんでしょ? 覗き放題盗撮し放題じゃん」


 みおちゃんがとんでもないことを言っている。

 確かに私の部屋は道路を挟んで恭介くんの部屋と向かい合ってるから偶然にもたまたま窓の方を見ていてたまたま恭介くんが上半身裸でトレーニングしたりお風呂上がりで頭を拭いてるところが見えちゃうことがあるけどあれは事故なのだ!

 この間もお祭りに出かける恭介くんの姿が見えないかなってずっと多々良家の玄関を見ていたら恭介くんに見つかってめちゃくちゃ焦るハメになったりとかいろいろあるけど全部たまたまだから……はぁはぁ。


 そしてお母さん! みおちゃんの覗きとか盗撮とかの問題発言を聞いて「こいつやりおる!」みたいな顔で感心して見せないの!

 あれ? 恭介くんがいない状態でこのメンバーが家にいるってことは私がツッコミ役?


 私じゃ役者不足だよ……今からでも恭介くんを呼んできた方がいいんだろうか?

 イヤイヤ、何考えてるの私。恭介くんとパジャマパーティーなんて嬉しすぎて寝られなくなっちゃよ。


 ああ、私もテンション上がりすぎておかしくなってるみたい。

 誰かツッコミ役ぷりーず!!

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 陽菜ちゃんが壊れ気味、視点役がおかしいので作者にもどうにもできない。


 7/8,9は1日5話特別公開

 6,9,12,15,18時の1日5話更新となります

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