第133話 頭が痛くなりそうなスケジュール(陽菜視点)

 恭介くんとラインのやりとりをしていたら日曜日のスケジュールを送って来てくれた。

 なんだろうこのスケジュールは。


 07:00  ランニング(陽菜)

 10:00  祭りを散策(ゆうき)

 12:00  奉納舞&剣舞(小烏、撮影・藤岡+さんご先輩)

 13:00  花見・昼食(小烏、藤岡、さんご先輩)

 15:00  祭りで買い食い(丸川)

 16:00  茶会(岩清水・琴乃刀自)

 17:30  荷物運び(さちえさん)

 18:00  花見(多々良家・姫川家合同)


 見ているだけで頭が痛くなりそうなスケジュール。なんで一日中女の子とデートし続けているのだろう。(一名男子だけど女子扱いでいいと思う)


 多分恭介くん自身に悪気は全くないんだろうけどこれを送り付けられて私にどうしろというのだろうか、う~ん。

 こそっとうちのお母さんの名前が入っていることも気になる。

 あとあと私だけが日常的な行動でみんなのは実質デートだし、ずるい。


 これを送ってきたうえで「剣舞では俺も舞台に上がるから時間があったら陽菜に見守って欲しい」とか書いてくるからたちが悪い。皆に同じこと言ってるのかもしれないけど。

 一応分かってはいるのだ。私は恭介くんと付き合っているわけじゃなくて私の片思い。だから恭介くんが誰と付き合おうが文句を言う権利はない。


 恭介くんから見たら私は疎遠だった状態から普通に遊ぶようになった幼馴染(私にとっては幼馴染としては別人だけど)という相手に過ぎないんだろう。

 でも、頑張るって決めたから。まずは出来ることを……日曜日の夜は頑張っておしゃれをしていこう。


 書きかけていた今日の日記の手を止めて恭介くんとのやりとりをしていた私はメッセージを終えて日記に向きなおることにする。




(陽菜の日記)

 2023.3.20(月)

 恭ちゃんへ

 今日は終業式でした。恭ちゃんも春休みに入ったころなのかな? そっちの世界も桜は綺麗?

 小さい頃に恭ちゃんに手を引かれて川沿いの公園の桜並みの下を歩いたことを思い出しています。


 そうそう、今週の日曜日に桜祭りがあるんだけど、恭介くんがちょっと酷いんだよ。

 今日は愚痴を聞かせちゃって悪いけど恭ちゃんに愚痴を聞いて欲しい。

 だいたい恭介くんは女の子に優しすぎる。私に優しくしてくれるのはすごく嬉しいから優しいこと自体は凄くいいことなんだけど私にだけ優しくしてくれればいいのにっていつも思っちゃうの。


 う~ん、これって私が欲張り過ぎなのが悪いのかな? でも恭ちゃんもすごく優しかったもんね。クラスの男子も女子も恭ちゃんのことが大好きだったから。

 今もしも私が恭ちゃんのそばにいたら、恭ちゃんのやさしさにヤキモキしてたかも。でも恭ちゃんは私のそういう気持ちにきっと気付いてくれるよね。


 恭介くんはいつになったら私の気持ちにきづいてくれるのかな。


 それじゃあ明日も朝から恭介くんのランニングに付き合うから早めに寝るね。

 それと春休み中はしずくちゃんと小烏こがらすさんには悪いけど、抜け駆けしてお弁当を作っちゃおうかと思ってるんだ。


 私お料理すごく上手になったんだよ。恭ちゃんにも食べて欲しかったな。

 それじゃあお休みなさい。

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