　岩清水が鼻血を出してから、何かを諦めて開き直ったのか俺の病室にちょくちょく遊びに来るようになった。

　岩清水は黒縁眼鏡に長い髪を大きな一本の三つ編みにまとめていて本当に委員長って感じの女の子。ちなみにおっぱいは結構大きいと思う。

　そんな岩清水が今日は他の女の子を二人連れてくるという話だった。やっぱり向こうの世界にもいたクラスメイトで明るく元気でちょっとおバカなポニーテールの丸川のどかと金髪白ギャルでスタイルのイイの藤岡みおだった。ちなみに丸川のどかは貧乳。ぺったんこだ。

　元の世界でこの三人が仲が良いイメージは一切なかったので意外だったが、この貞操逆転世界では女子のグループの集まり方も違うのかもしれなかった。

　三人組で来たのは別に問題ないのだが、問題なのは扉の開き方だった。岩清水は一応常識人なのでちゃんとノックしてから扉を開く。

　が、この日扉を開いたのはおバカで元気な丸川だった。

　ドーン！と自分で擬音語（オノマトペ）の大きな声を上げながら丸川がいきなり扉を開く。

　丁度その時俺は最近の日課になっていた筋トレに励んでいた。この貞操逆転世界の多々良恭介の体はまだまだ絞らなくてはならないのでたっぷりイジメてやらないといけない。

　元の世界にいたときの癖で上半身裸になってドアのすぐ前の床で腕立て伏せをしている最中に扉が開いた。そのまま俺は三人に裸体を晒す羽目になる。かなりトレーニングに力が入っていて集中していたので汗だくになりながらプッシュアップをそのまま続ける。

「99…100！ふぅ…」

　ゴロンと床に転がり天井を仰ぐ。床にはヨガマットを引いているのでそのまま息を整える。

　三人の方を見ると扉を開けた状態のままで固まっていた。

　委員長は両手で真っ赤になった顔を覆って指の隙間から、ちょっとおバカな丸川は目を見開いてガン見。

　そして白ギャルの藤岡は……思いっきりスマホを構えて激写していた。

　まあいいか…と思いかけるがここは貞操逆転世界。男子高生がいきなり女子高生のいる病室を開けて、何故か上半身の服を脱いで筋トレしてた女子の裸体を激写する。

　それと同じ状況だった。

　はい、藤岡アウト～……前の世界ならオカズシェアにアップされるところだったな……な、ないよな？　この世界に女子高生版オカズシェア。

　こいつら三人はもう三バカトリオでいいや。真面目な委員長には悪いけど。

　-----------------------------------------------

　本日1日3話公開

　毎日朝6時と昼12時夕方18時に最新話公開中

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい