クランがり

この前と同じことを繰り返すことにより、街のクラン同士、ギャング同士を疑心暗鬼させ身動きを封じる。


「それでも悪魔崇拝者どもは毎日現れるな。」


「悪魔崇拝者達は組織として謎な部分ばかりですからね。」


「まあ、弱いから良いんだが。よし、今日も適当に街の有力者達の幹部を殺していくぞ。」


「はい!」


クラン狩りはかなり金になる。

悪い奴らは身につけている武器が強力かつ高価なものが多い。

自分達の持っている暴力が一番の後ろ盾なんだろう。その分俺が儲かるが。


「アンリ。どうだ良い武器にできてるか。」


「・・・・」


アンリがあれから布団から出てこない。

トイレと風呂、ご飯だけは一丁前に享受してるが。


「ずっと布団にいても暇だろう。」


「・・・」


「次、返事しなかったらぶん殴るぞ。」


「布団から出たくないです。」


「別に出なくてはいが、鍛治の仕事はちゃんとしろよ。」


「どうやってやるんですか?」


「さぁ?自分で考えろ。もしくは、リリーシュと極力顔を合わせないように予定を組んで調整してもらうかだな。」


「それです!!」


「そうだな。じゃあ、意志伝達手段として筆談にするが、字は書けるな?」


「書けます。エルフは頭がいいですから。」


「じゃあ、それで頑張れよ。」


「はい!!」


貴族街の鍛治室がついてる店だからある程度の広さがあるし、大丈夫だろ。


「それじゃあ、任せたぞリリーシュ。」


「かしこまりましたご主人様。」


「うい。」


ーーー夜


「教会の実働部隊が動き出した?」


「そうです。おそらく、お兄様が殺した幹部達の中に教会の関係者がいたのでしょ。」


「そうか。面倒なことになったな。教会の実働部隊は不明な能力者だらけだしな。」


「そうですね。教会の切り札みたいなものですから。それに、教会の関係者以外でその能力を知ったものは殺されてらしいですからね。」


「そうだな。じゃあ、しばらくは大人しくするか。ゴロツキども大人しくしてるだろ。」


「そうですね。そうしましょう。」


教会の実働部隊。代行者ともいうが、こいつらは何かしらの権能や聖遺物を使いこなせる。

権能とはスキル、魔法とは異なる別の特別な力で何かしらの条件と特別な才能を満たすと使用できるらしい。

聖遺物とは人間が魔王と戦って勝った時代よりもさらに昔に人類達が集まって過ごしていた遺跡から出土されたものだ。

ちなみにこの聖遺物を使うのも特別な才能と何かしらの条件を満たすと使えるようになる。

ちなみに俺が使っている黒いナイフもおそらく聖遺物の類だ。



(それでも、悪魔崇拝者どもの数は減らしていかないといけないしな。何かしらの切り札でも用意してもらおう。)


ーーー翌日


俺は薬屋に行ってミランダに何かしらの切り札を考えてもらう。

俺よりミランダの方が薬関係のことに圧倒的に詳しいので、こいつに全部任せ解くことにした。


「う〜ん。切り札かぁ〜。思いつかないはないけど、ここら辺じゃ素材が手に入んないよ〜。」


「どこなら、手に入る?」


「ここら辺だと五大ダンジョンかな。」


「遠いな。1週間はかかる。」


「五大ダンジョンの中の26階層に出る雷兎から出る魔石が必要だから、もっと時間はかかるよ。」


「そうか。取り寄せるかな。」


「すごい高いと思うよ。」


「そうだよな。めんどくさい奴らもるし、どうするか。」


「それより、早く散歩に行こうよ!」


「分かった。」


ミランダは、最近俺と散歩に行くのが楽しいらしい。

このままだと、アンリみたいになるぞと言ったら、積極的に外に出るようになったからかもしれない。

最近の街も平和になってきたし、ゆっくり散歩しよう。


(それにしても五大ダンジョンか。どうにかならないか、、、。)

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