魔王
魔王
魔王それは世界の敵。
人類同士の戦争はこの世界では確認されていないが、魔王対人間の戦争は三回確認されている。
魔王対人類の1回目の戦争が人類初の勇者の誕生であり、人類の歴史の始まりだ。
1回目の戦争以前の歴史は存在すると言われているが、資料は残っていない。
「それで、魔王が現れたって本当か?」
急に帰ってきたダリアから、真剣に話をされた。
「本当だよ。別の大陸から魔王軍が海を超えてきたのよ。」
「その軍はどうなっているんだ?」
「マルシア皇国が対応しているけど、魔王軍が強力らしくね。うちの国も含めて周辺国から援軍を出すの。」
「それで、お前も行くのか?」
「お父様の付き添いでね。」
「なんか、フラグだな。」
「フラグ?」
「いや、なんでもない。気をつけろよ。」
「大丈夫よ、私は後ろで見るだけだし。」
「フラグだな。なんかあったら逃げるんだぞ。」
「分かってるって。」
(フラグだ。絶対フラグだ。)
「油断するな。装備も完璧整えろ。約束だぞ。」
「急にどうしたの?私のこと心配?」
「心配だ。」
「ふ〜ん。」
「死にさえしなかったら、助けにいく。」
「ふ〜ん。生意気よ。」
恋愛ムードだ。これもフラグ。なら折る。
「今、そう言う雰囲気を出すな。いいから、絶対油断はするなよ。」
「分かったわよ。最後に血を吸わせてよね。」
「どさくさに紛れてキスするなよ。したら、お前死ぬからな。」
「何よそれ。しないわよ。」
ダリアは俺の血を吸って、満足したのか帰っていった。
「それにしても、魔王か。忙しくなりそうだ。」
この日から、着実に戦の準備は進んで行って、街は殺気立っていた。
「今日は店じまいだな。売れるが、その分盗みが尋常じゃなく多い。」
俺は、1時間の営業で店を閉めることにした。
領主軍がいない今、街では柄の悪い奴らが幅を利かせて、子供は外を出歩かなくなっていった。
「レックス様〜。パンツ下さい〜。」
「アンリ、今俺は真剣に考え事をしているんだ。邪魔するな。」
「でも〜。」
「分かった、分かった。パンツやるから黙ってろ。」
俺はアンリにパンツを脱ぎ捨てて、これからについて考える。
悪魔崇拝者と街のギャングどもはなるべく間引きしといた方がいい。
フィーネ達に何があるか分からんからな。
「素材を採りに行くか、それとも金はあるから、フィーネ達を見守るか。う〜ん。」
「レックス様。レックス様。」
「なんだ、アンリ。」
「店をもう少し、治安の良い場所に行きたいです。夜怖いです。」
「そうだな。まずは店を移転するか。領主の紋章見せたら安く譲ってくれるだろ。」
「それまで、一緒に寝て良いですか?」
「だめだ。ミランダのとこで寝てろ。」
「え〜、そんな〜。」
「金もあるしな。ついでにフィーネ達ももう少し治安の良い場所に引っ越すか。」
「一緒に住めるんですか!?」
「そんなわけないだろ。お前は一人で寝てろ。」
「え〜ひどいです。」
俺は、店と家を引っ越すことにした。
アンリの店は貴族街の鍛治街へ、家族は貴族街のアパートみたいな場所へ。
「お兄ちゃん、遊ぼ!!」
「アンリかミランダと遊んでもらえ。今忙しいんだ。」
「え〜。遊ぼ、遊ぼ!」
「少しだけだぞ。」
「分かった!!」
フィーネと遊んだ後に、谷の深層で魔物を狩って素材にする。
暗層のさらに奥に行けばもっと強い魔物が出るが、今は浅いところで魔物を狩っている。
「レックス様。最近働きすぎでは?」
「そうだな、休むか。フィーネと一日中遊ぶか。」
「そうですね。それが良いです。後、パンツ下さい。」
ーーー夜
「それで、悪魔崇拝者どもが動き出したのか。」
「そう聞いております、お兄様。」
「領主軍は動けるのか?」
「今は、治安を守るだけで精一杯なので、正直手が回りません。」
「分かった。俺が動くよ。」
「大丈夫ですか?」
「ああ。無理そうだったら逃げるさ。それに、可愛い眷属のためだしな。」
「お兄様、、、。」
キリアのほっぺたをぷにぷにしといた。
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