契約

「キリアちゃん契約をしようか。」


「えっ!もしかして、お姉様から聞きました?」


「まあな。」


「大丈夫よ。私が見ててあげるし。」


俺とキリアちゃんダリアの3人で俺が住んでるボロ屋マンションの屋上にいる。


「血の契りってどうすればいいんだ。」


「いつも通り、血を吸わせてあげなさいよ。」


「そんなのでいいのか。それじゃあキリアちゃん血を吸って。」


「待ってください。心の準備が。」


「何言ってるのよ。半眷属なんて続けてたら、あんたもレックスもいずれ何かしらの呪いにかかるわよ。」


「それは、そうですが、、、。」


(えっ!?俺も呪いにかかるの?)


「そう言うことらしいし、はやく済ませちゃお。」


「わ、分かりました。お兄様がそう言うなら。」


「うん、うん。キリアちゃんはいい子だねー。」


キリアちゃんに俺の血を吸わせた。


「次は、俺がキリアちゃんの血を吸えばいいのか?」


「そうね。ほら、キリア早くしなさい。」


「はい。お兄様、私の指先を切って血を吸ってください。」


「分かった。」


俺がキリアちゃんの指先を切って、俺がその血を吸うと、周囲が赤い光で満ちる。


「契約成功か?」


「そうね。おめでとう。これでキリアはレックスの眷属よ。」


「おお。これで魔力の質が上がったのか。よく分からんな。」


「本人ではあんまり変化がわからないものよ。それよりも、これから無茶はしちゃダメよ。」


「分かってる。よろしくなキリアちゃん。」


「はい。お兄様。その、お願いがあるのですが。」


「お願い?」


「はい。私の事をキリアと呼び捨てにして欲しいのです。」


「そんな事か。よろしくな、キリア。」


「はい!お兄様の命令には絶対服従のキリアです!」


長い黒髪に透き通るような白い肌、血よりも赤い瞳。人形のような少女が眷属になった。


「ちなみに、契約破棄もできるんだから、愛想尽かされるんじゃないわよ。」


「ああ。」


「えへへ❤️」


キリアは頭を撫でると本当に幸せそうな顔をする。


ーーー谷の暗層


「久しぶりにここに来たな。でも、ここが一番訓練になるしな。」


俺は谷の暗層まで正規のルートを覚えて辿り着き、そこで魔力感知の訓練をすることにした。

実戦こそ最高の訓練だしな。


「魔力の質が良くなったって言ってもそんなに変わらないな。」


少し、棘の威力が上がった程度だ。


それから毎日、時間を作って俺は暗層で訓練を続けた。

暗層で採取した素材は売るか、ミランダかアンリにあげた。


「お兄ちゃん、まだこの薬飲まないといけないの?」


「しょうがないだろ。お前は瘴気に弱いんだから。」


フィーネに瘴気病の薬を定期的に飲ませないといけない。


「だって、苦いんだもん。」


「フィーネは子供ね。」


「キリアは同い年でしょ!」


「私は淑女ですから。」


「何それ!」


「二人とも喧嘩するな。」


「「えへへ❤️」」


二人の頭を撫でると、破顔する。

こんな平和な生活がいつまで続くと、そう、信じていた。



ーーー魔王が現れた。



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