俺の武器

「まずは、俺の武器からだ。材料はどこで取ってきたらいい?」


「作る武器によるよ。高級な武器がいいの?」


「できれば、それがいいが。高級な武器の素材なんてここら辺で手に入るのか?」


「ここら辺だと森の奥の谷にメタルリザードがいるんだ。そいつならいい武器ができると思うよ。」


「メタルリザードか。いいだろ。すぐに用意してやる。」


「えっ、できるの?」


「俺の実力を見せてやるよ。」


俺は、アンリから聞いた谷に向かいメタルリザードを探す。

メタルリザードはでかいトカゲで体の表面には金属を纏っている。

基本、こいつは魔法や、魔剣がないと倒すのは難しいが、俺の場合はそうでもない。

こいつの上側。つまり、目に見える範囲は防御力が凄まじいのだが、こいつの下側、目で見えない範囲の防御力はザルなのだ。

下側が金属に囲まれていたら、動きにくいのだろう。

俺はサクッと、メタルリザードを殺して、何回かに分けてアンリの元に素材を運ぶ。


「すごい。こんなにすぐに持ってくるなんて。」


「当たり前だ。これからも用意してほしい素材をじゃんじゃん、言ってくれ。」


「うん!そうする!」


「まずは俺の武器を作れよ。」


「うん!」


俺は、アンリが俺の武器を作っている間に他の武器の材料を集める。


数日後に俺の武器は完成した。


「どうかな?」


「ああ。よく手に馴染むいい武器だ。余ったメタルリザードは好きに使っていいぞ。」


「本当に!やったー!!」


「じゃんじゃん武器を作ってくれ。」


家事は、フィーネとその友人の少女達に任せている。お小遣いあげれば喜んでやってくれる。

早く、店を開けれるようになたらいいな。

俺は、アンリが作った武器の試し切りに森で、いくつかの魔物を殺し回った。

これからは、なるべくこの武器を使って、魔物を殺そう。


ーーー1月後ーーー


「店らしくなってきた。」


俺が金を出して店の備品を買って、廃れた店がそれらしくなった。

アンリの武器も揃ったし、店を開くか。


「まあ、開くと言っても2時間だけだがな。」


俺の店の営業時間は2時間だけだ。

俺は長期間居られないし、こいつの腕はいいし、武器は生命線だ。

いい武器は自然と売れてくる。わざわざ、長時間営業する必要もない。


「最初は流石に露天に出すか。」


最初はうちの店の紋章の入った、ナイフ、包丁、武器を露店に出す。

もちろん、かなり安い値段でだ。多くの人に手に取って欲しいからな。


「本当に、この値段でいいのか?」


「もちろん、その代わりちゃんと宣伝してくれよな。」


「ああ。今夜の酒の肴にでもするよ。」


こんなやり取りを地道に地道に重ねていき、チラホラと店頭に人が来るようになった。一日2時間しか営業しないのも酒の肴で印象に残ったのだろう。

この調子ならもう少ししたら、露店で売るのもやめれるようになる。


「レックスのおかげだよ。」


アンリは毎日、鍛治だけできるので嬉しそうだ。

搾取してるとも知らないで。絞れるまで絞ってやる。



「私のお店も開いてよ!!」


「だめだ、ミランダ。お前の薬は人を選ぶ。俺は耐性があるからいいが。

大体、お前はこの店を注げばいいだろうが。」


「嫌だ!嫌だ!嫌だ!!お金の計算とか面倒くさい!!」


「面倒くさいことは人を雇えばいいんだ。」


「なるほど!!でも、私は人見知りだし。」


「確かにそうだな。まあ、親と相談して決めればいいさ。」


「レックスが経営して、素材を集めて、私が薬を作る。これが一番いいと思うよ。」


「お前は一人娘だろうが。そんな勝手はできないだろ。」


「そうだ!!レックスの店に薬を置けばいいんだ!!」


「武器の店に薬を置くか。まあ、いいんじゃないか。」


(戦闘を生業とする奴らはうちの店に多い)


「本当に!!じゃあ、早速だけど採ってきてほしい素材があるんだ!!」


(これは、いつもと何も変わらないんじゃないか。)


俺が店を開いて2月が経った時、


事件が起こった。

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