箸休め回
「久しぶりね。平民。」
開口一番赤い髪の少女はそう言った。
「ぶん殴るぞ。俺の名前はレックスだ。」
「本当に平民は野蛮ね。」
(あれ?自己紹介したのに名前が返ってこない。)
「ダリア、この子の名前は?」
「リアスちゃん。この子ツンデレなの。」
「そうか、よろしくなリアス。」
「呼び捨てにしないでくださいまし。平民の分際で。」
「ダリアこいつ殴っていいか?」
「この子はツンデレなのよ。いつもはこんなにツンが大きくないのにレックスの前で緊張してるのよ。」
「おい、リアス。ツンデレを免罪符にしたら何言ってもいいわけじゃないからな。」
「ふんっ。平民のくせに。」
「これは、ツンデレなのか?ただの選民思想野郎じゃねえか。」
「レックス、彼女の耳を見てよ。真っ赤でしょ。あれがデレよ。恥ずかしがってるだけ。」
(耳が赤いだけで、何言ってもいいのかこいつは。)
「それで、金髪の君は?」
「アリシアです。よろしくお願いします。レックス君」
「よろしな。アリシア。それで、緑の髪の君は?」
「、、、アリス。」
「よろしくな、アリス。」
返事が無い。どうやら、意思疎通に問題のあるこのようだ。
「アリスちゃんは無口だからしょうがないよ。」
(無口って免罪符で相手のこと無視していいの?まともなのアリシアしか居ない。)
「アリシアは金髪だけど、シャーロットと親戚から何か?」
「いえ、先祖のどこかで血が混ざっていると思いますが、親戚ではありません。金髪は珍しくは無いですしね。」
「そうだな。それで、ダリアはなんでこいつらを連れてきたんだ?」
「みんなが、会いたいって言うから。」
「そうです。レックス君にあの時のお礼がしたくて。」
「別にいい。あの時はお互い様だったしな。」
「そう言ってもらえると助かります。」
(あれ?意外にいい子かもしれない。あの時は悪魔の出現に焦っていただけかもしれないな。)
「え〜それだけ〜?」
「どう言うことだ、ダリア?」
「いや、長い間、レックスに精霊をつけてたんだよ。それなのにそれだけ?」
「それだけです!!それ以上はありません!!」
アリシアが声を荒げる。
「まあ、そう言うことにしてあげる。」
(どう言うことだ?精霊魔法が使えるものだけが分かる内容なのだろう。)
「そうか、まあ、お礼も済んだことだし。これからどうすんだ?帰るのか?」
「いえ、その、何か遊べないかと?」
「遊び?」
「フィーネちゃんと遊んでいた遊具で。」
「あ〜。あれね。いいよ。人数が5人いるし。トーナメントでもするか。」
「いいね。面白そう。」
普通に5人で遊んだ。
「それでは、また明日。」
「明日も来るのか?」
「そうですね3日は遊びにきます。」
そう言って、アリシア4人はコウモリに囲まれて消えていった。
それ、大人数でも出来るのか。
翌日も更に、その次の日も普通に遊んだだけだった。
「楽しかったです。ありがとうございましたレックス君。」
「いや、いいよ。じゃあ、またいつかね。」
「はい。また、いつか。」
その日から3人は来なくなってしまった。
相変わらずダリアは来るけど。
こいつ、いつまで休みなんだ?
「あの3人と遊んで何か気づかなかった?」
「いや、別に。」
「本当に?」
「ダリアは何か気づいたのか?」
「気づいだよ。あの3人は確実にレックスの事が好きだね。」
「なんでも、かんでも恋愛に結びつけるのは若い女子の妄想だぞ。」
「だって、あの3人、全員レックスと距離感近かったでしょ?」
「別にそれくらい普通だろ。ダリアだってそうだろ?」
「そう言われると、私がレックスに惚れてるみたいになるわね。惚れてないけど。弟だし。」
「弟じゃ無い。そりゃ、何かしら好意は感じ取れたけど、恋愛ってほどでも無いだろ。少し、気になる程度だよ。」
「う〜ん。そう言われたら、そうかも。」
「だろ。恋愛弱者のダリアとは違うんだ。」
「なっ!!レックスよりは経験あるよ!!」
「じゃあ、今まで交際してきた人数は?」
「0だけど。でも、それは色付きの貴族だからで。しょうがなく。許婚ならたくさんいるから、選び放題だし。」
「情けないやつだ。親の力だけで結婚相手を決めるとは。」
「私がその気になれば、簡単に交際できるんだから!!」
「そうだな。そういうことにしとこう。」
ダリアは襲いかかってきたが、今日も僅差で勝った。
学ばないやつだ。
次の日、ダリアは妹を連れて来た。
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