ダリア

俺はフィリアと手を繋ぎながら、家に帰る。


「お兄ちゃんから女の匂いがする。」


「ミランダか?」


「違う。香水の匂い。」


「魔物に襲われてる冒険者を助けたからな、その女の人の匂いかもな。」


「ふ〜ん。お兄ちゃん、おんぶして。」


「分かった。」


フィーネは俺におんぶされてすぐに寝た。

こいつは疲れやすい体質なのだろうか。体が弱いからしょうがないか。


「今日の晩御飯は何にするかな。」


俺は、帰宅しながら、買い物をしてると、冒険者に絡まれた。


「痛えな!どこ見て歩いてんだガキ!!」


俺は無視して、路地裏に入る。すると冒険者数人が俺に着いてきて路地裏に入る。


「人にぶつかっといて、謝りもしねえとはな!!」


俺が服の下にきている、黒いナイフの鎧を展開させて、地面から伸ばして全員の睾丸を思いっきりぶち当てる。

4人ほどうずくまってるのでその隙に、金目のものを盗んで服をズタボロにして、路上に出しておく。


「ふぅ。一仕事したし、買い物に戻るか。」


冒険者は基本ゴミなので、ゴミ掃除は街のためなのだ。

今日はピザを作るか。腕がなるぜ。

夜ご飯を食べてから、体をお湯で拭いてから、家族3人で固まって寝た。


「お兄ちゃん、お兄ちゃん。」


「なんだ?」


「腕枕して」


「分かった、分かった。」


それから少しして、


「お兄ちゃん。」


「今度はなんだ?」


「トイレ行きたい。」


「6歳なんだから、もう1人で行け。」


「嫌だ。怖いもん。」


「分かった、しょうがないな。」


フィーネのトイレに付き合ってからまた寝た。


「起きて、起きてよ。」


「またか、フィーネ。」


「何、寝ぼけてるの?私よ、ダリアよ。」


「ダリア?」


「それにしても、クロって結構可愛い顔つきなのね。こんな、弟が欲しかったわ。」


「ダリア!!」


俺は、ようやく目が覚めた。どういうことだ、なぜダリアがいるんだ。


「こんばんわ。さっきぶりね。」


「とりあえず、場所を移すぞ。」


俺は、ダリアを抱えて屋上に行く。


「それで、どうして俺がここにいるとわかった?」


「精霊をあなたに付けといたの。」


「精霊?」


「そう。私は色付きだもの。」


色付きの貴族なんて、相当珍しいのに、最近よく会うな。


「昼とキャラが違うんだが。」


「おそらく、吸血鬼の血のせいね。」


「吸血鬼なのか?」


「私の先祖がそうなのよ。吸血鬼の血は薄くなってるけどね。」


「それで、なんで俺に会いに来たんだ?」


早く寝たい。


「2人で盗賊を倒しに行きましょう。」


「そうか、分かった。明日の夜にしよう。色々準備とかあるしな。」


「それもそうね。じゃあまた明日。」


「ああ。」


ダリアは蝙蝠に紛れて消えていった。

すごいな。

俺は部屋に戻って寝た。

翌日、いつも通り過ごしていたら、夜に起こされた。


「ちょっと起きてよ。昨日、約束したでしょ。」


「ダリア?」


「そう、ダリアよ。寝ぼけてないでさっさと起きてよ。」


「昨日のは夢じゃなかったんだな。」


「当たり前でしょ。」


「ほら、盗賊退治に行きましょ。」


「分かった、分かった。」


無茶苦茶眠い。

俺は軽く支度して、外に出る。


「それにしても、クロの名前はレックスだったんだってね。」


「どうして、分かったんだ?」


「精霊を通して見てたのよ。他もそうでしょ。」


「他?」


「あんたには私の他に3つの精霊がついてるわよ。」


「なるほどな。」


「私の知ってる子たちの精霊達よ。レックスは結構モテるのね。」


「その精霊を取ることはできるか?」


「できるけど、条件があるわ。」


「条件?」


「血を吸わせてほしいわ。」


「量にもよるな。」


「ちょっとよ。親指から少し舐めるだけ。」


「それならいいぞ。」


俺は、親指をナイフで切って、ダリアにちゅうちゅう吸わせる。


「もういいだろ。」


「もう少し。」


「なあ、美味しのか?」


「レックスの血は美味しいわよ。健康的な血よ。」


「そうか。」


「ご馳走様。」


「じゃあ、精霊を取ってくれ。」


「無理よ。精霊は気まぐれだもの。」


「俺の血が吸いたいから嘘ついたのか。」


「ごめんね。」


「すぐ謝るな。喧嘩にならないだろうが。」


「だって、レックスに嫌われたくないもの。」


「それも、俺の血が吸いたいから出た嘘か。」


「これは、ほんとだよ。レックスは私を助けてくれたしね。」


「それで、思い出したが、ダリアは戦えるのか?」


「夜の私は昼と全然違うよ。盗賊ぐらいなら楽勝よ。」


俺達は盗賊の言っていた、約束の場所向かった。

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