悪魔

俺は、魔封じの手錠を黒いナイフの形状変化を使い鍵の形にして、3人貴族娘の手錠を解いてやり、ハイヒールを履いていたので、ハイヒールのヒールを砕いてやった。


「悪魔召喚をしてる奴らを皆殺しにしたら、止まるんじゃないのか?」


「その段階ではありません。悪魔召喚の契約のほとんどは完了されてます。」


「なんでそんなことわかるんだ?」


「精霊達が教えてくれます。」


(精霊を理由にされたら俺には分からん。時間もないしさっさと行動に移すか。)


「あんただけなんだろ、悪魔召喚を止められるのは。」


「そうです。」


「じゃあ、あんただけついて来い。他はここで隠れてろ。」


「それがいいです。それより時間がもうないです。急いでください。」


(自然と上から目線なんだよな。初対面なのに。)


「最後の確認だが、子供達は倒れ込んでいるんだよな。」


「そうです。魂を抜かれて仮死状態になっているので。」


「じゃあ、一気に行くか。」


「?」


俺は足から黒いナイフの鎧を伸ばし、奥の部屋までいくつもの棘で160cm,170cmあたりを串刺しにする。結構感触があった。


「急ぐぞ。」


「えっ!?」


俺は、亜馬召喚を防げると言う少女を担いで奥の部屋に突進する。

扉を蹴破り、中を見ると20人ほどの大人の死体の死屍累々の光景が広がっていた。

60人ぐらいの子供が倒れ込んでた。良かった、俺が刺していなくて。

虫の息の大人を皆殺しにしといて、少女を下ろした。


「あなた、無茶苦茶しますね。」


「どうでもいいから、悪魔召喚を止めろよ。」


「分かってます。」


少女は何人ものローブの大人の死体が囲んでいる台に発現している魔法陣に向かうと、おそらく魔法の呪文を唱えて周りには光の粒子が輝いている。


「死体でも漁るかな。」


俺は、大人の死体を漁りながら、子供達を一箇所に集める。

いい稼ぎになる。回収するやつも一箇所に集めていた時、集団が走ってくる音が聞こえた。


「俺たちの救助にしては早すぎるし、どうせ敵だろ。」


俺は先ほどと同じやり方で、こちらに向かって走ってくる奴らを串刺しにしまくるが、数人俺の攻撃を防御する奴らがいた。


「すごい強そうだ。逃げようかな。」


「逃げないでください。もう少しで救援がきますから。」


「悪魔召は阻止できたのか?」


「もう少しで完了します。それまで時間稼ぎをして下さい。」


「タダ働きだけど、しょうがないな。」


(殺せたら、こいつらの武器盗もう。)


「おい、おい。これはどういう状況っ!!」


俺は先頭のおっさんが話している間に、ミランダからもらった小瓶を投げた。


キンッ!!


おっさんはその小瓶を切って中の液体がおっさんにかかる。


「残念だったな。俺はレベル3だぞ。大抵の毒は効かねえよ。」


レベル3.

レベル一つ違うと基本勝てないと言われているが、2も違うとは。

もしかして他数人もそうなのかもしれない。


「関係ないぞ。それは毒じゃないからな。」


小瓶から出てきた液体が急激に成長しておっさんの体にまとわりつく。


「なんだこれは!?」


「さぁ?」


ミランダがいろんなものを調合して出来たよく分からない生物だ。

弱点は火だ。それ以外の攻撃は基本効かない。切れたとしてもくっつくし、串刺しても関係ない。だって粘度の高い液体なんだもん。

ミランダは『捕食君』と呼んでるが。


「スライムか!!」


スライムとはこの生物とよく似ているが、スライムは大きくならないし、弱点は核を攻撃することだ。

おっさんはみるみる『捕食君』に覆われていきついにはおっさんを捕食した。


ブオン!!


おっさんに向かって大きな炎が襲いかかる。

捕食君はその炎に飲まれて消滅してしまう。


「それはロッグスライムの変異個体だろう。」


奥から、全身を長い布で覆ったいかにもな奴が出てきた。

その男の手には短剣が握られており、そこから炎が出ている。


「魔剣か。」


魔剣とは魔法を使えないものでも、剣に秘められた魔法が使える代物。

回数制限があり、魔剣によるが一定回数使うと壊れるらしい。

一本最低でも白金貨1枚、つまり一億円はする。

そんなものを持っているこいつは只者じゃないな。


「ゴホッ!!ゴホッ!!悪い、助かっ!!」


グチャリ!!


俺は先ほどまで捕食君に捕食されていたやつを串刺しにする。

捕食君に覆われている間に手を出したら、俺も捕食されるしな。

それにしても、レベル1がレベル3を倒すなんて快挙だな。



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