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「靴を買わないとね。もうボロボロになったしね。」
「別にいいよ。お金かかるし。」
「靴ぐらいいいわよ。ついでにフィーネのも買わないとね。」
「やったー!」
「それはまだ早いよ。靴をもらったら、色んな場所歩き回っちゃうしね。」
「う〜ん。それもそうね。」
「えー!!いやだ、いやだ!ほしいよ!」
「外に出たい時は俺が一緒に行ってやるからなお前が3歳になるまではダメだ。」
フィーネが駄々をこねるがこれはしょうがない。
外を動き回るにはまだフィーネは幼すぎる。
ボロボロになった靴の代わりに何かの獣の布でできた靴を買ってもらった。
前のサンダルと比べて、結構走りやすくなった。これで、もっと簡単に盗める。
最近、俺と同じで子供ながらに物を盗んでいる奴らがいる。
おそらく8歳、9歳ぐらいの年齢だ。こいつらは集団で物を盗んでいる。
俺より盗みが下手だから、大人に捕まって、ボコボコにされてるが。
こいつらに見つからずに盗みを続けよう。見つかったらろくなことにならないしな。
「この黒いナイフがあってよかった。父親に感謝だな。」
俺の盗みが成功しているのも、黒いナイフのおかげの部分がかなり大きい。
これの変形できる機能がとても大きい。
いつか、お金を盗めるようになれば、毎日盗みを働かなくていいのに。
雨の日も飯が食えるしな。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それから時間が経って、俺が5歳になり、フィーネが3歳になった。
「おにいちゃん、そといきたい!!」
「はいはい。別にいいけど。危ないところはダメだぞ。」
フィーネが靴を買ってもらい、外を動き回りたいらしい。
俺はフィーネに外の歩き方を教える。外には怖い奴らがたくさんいるしな。
フィーネは動き回ったらすぐ眠ってしまう。まだ体が幼すぎてすぐ疲れるのだろう。そして、おんぶして、家に帰る。それから盗みに出かける。
この繰り返しをフィーネが外に飽きるまで繰り返した。
「ステータス」
レベル 1
力 :76
身の守り :64
素早さ :103
器用さ :91
魔法力 :112
「このステータスの数字が強いのか聞いとこ。」
レベルは試練を超えるとレベルが上がるらしい。
試練とは神様が判定すると言われているらしく、超えた試練は蓄積されて、ステータスの向上したり、魔法やスキルが発現するかもしれないらしい。
ちなみに、魔法は一人3つまでしか覚えられないらしい。
基本魔法は試練を超えて覚えるが、生まれてすぐに覚える天才児もいるらしい。
「どのぐらいのスーてタスがあれば、お金を稼げるのか。」
冒険者みたいに魔物を倒してお金を稼ぐんじゃなくて、街の近くの森で小動物を狩ってお金を稼ぐ方法もある。
まあ、あとは何かのお手伝いでもして小銭を稼ぐかだな。
5歳の俺はどこでも雇ってもらえなさそうだけどな。
「欲しいものは盗めばいいか。」
管理が杜撰な店がほとんどなので、ある程度は盗まれるのを計算して値段をつけているんだろうな。そりゃそうか。
俺の盗みは日々洗練されている。才能があったのかもしれないな。
最近にして分かったことだが、黒いナイフに一定以上の魔力をこめると重くなる。
この状態で変形させると、ナイフの体積から大きくなって変形できる。
俺は筋トレ用に使っている。後、なんちゃって剣術とかも最近頑張っている。
「フィーネも鍛えてやらないとな。せめて逃げ足でも鍛えてやらないと。」
何かあっても逃げ足さえあれば、なんとかなるしな。
フィーネとかけっこで足の速さを鍛えていたある日、フィーネが急にある倒れてしまった。
「大丈夫かフィーネ!!」
フィーネからの返事はない。
急いで、家に戻り、フィーネを布団で寝かす。
フィーネの全身を調べてみても、体に特におかしいところはない。
「瘴気病ガ悪化してしまったのか?」
この世界で病院などは金があって初めて利用できるものだ。
社会福祉など存在しない。
俺はただ、フィーネの手を握りながら、母親を待つことしかできなかった。
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