第3話

 

「・・・ショウくん」


モニターでは、悲しい顔をしていて、俺を見ると急に明るい顔をする。


 ただあのノートを見た後だとこれが演技にしか見えない。


 「ごめんなさい。ノートのことだけど」


「あ、それ返すよ。」


「待ってショウくん!!」


俺はノートを拾う。一応中身をざーっとめくって動画で残した。

ついでにここから録音もしとこう。


 「はい、これ」


  叶・・・川宮はそのノートを受け取ろうとしない。


「そのノートに書いてあることは本当だった。」


だろうね、写真とか言い訳出来ないし、


 「でも、私は気持ちが変わって本当に貴方ことが好きになったの。」


「・・・そうなんだ。」


「だからお願いします。もう一度チャンスをください」


「俺は騙された。その事実は変わらないよ。それにこれを見た後信じられる訳がない。」


「しんじてください」


「別に事実は変わらないじゃん。」


俺はノートを置いて扉を閉めようとすると、彼女が手を入れてくる。


 「やめろ」


「止めない!絶対に止めない!」


 「今までも喧嘩したことは何回かあったけど、正直理不尽だなって内心思ったことはある。けどそれ以上の愛情があったから我慢出来た。」


「・・・ごめんなさい」


「でも、これは無理。あとその謝罪も全部取り消しでお願い。」


「お願いします。なんでもしますから許してください」


「はやく帰って」


「嫌です。」


 はぁ。そして、俺は部屋に戻る。

 インターホンがうるさいから一度戻って


 「これ以上イラつかせるな。」


俺はその一言だけ言って戻る。


 インターホンは鳴ることは無いが代わりにメールにしたようだ。

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