第16話 俺の魔法

 怒られたことは仕方が無いけど、そこで怯んではいられないので、魔法を実際に見て貰う為に敢えて俺は森まで行くことにした。


 トンネルの中でも魔法は見せる事は出来るけど、今後の事を考えて現状の俺の実力を見せておくことにしたのです。


 トンネルを歩いている間、両親は後ろで何か話していたようだが俺には聞こえなかった。


「私、思わず怒っちゃったけど、マークが私たちの事を考えてやっていたのは嬉しかったわ」


「そうだな、やった事は誉められないが、マークが人の事を考えられる優しい子だということは嬉しいな」


 トンネルの出口に着くまで、俺はすっかり忘れていた。出口に有る物を……。


 そう出口にはトンネルを隠す為の石があるのです。これ石っていうより大きさ的に岩なんだけどね。


 岩を退かすのはアイテムボックスなのです。魔法の後に見せようと思っていたのに、行き成りラスボスを登場させないといけない。


 多分この世界には存在しないか超希少? なアイテムボックス。神様が隠すスキルだからね。


 ダンジョンからでる魔道具にアイテムバックがあるかどうかも知らないから何とも言えないけど、あったとしても希少である事は変わらない。果たして両親はどんな反応を見せるか……?


「は! マーク今何をした?」「何をしたの?」


「これがあいてむぼっくす」


 アイテムボックスは物を収納することが出来るスキルである事を説明するが、両親は理解出来ないようである。


 二人からすれば出口を塞いでいた石のような物が一瞬で消えたようにしか見えないのだから、仕方がないので今度は岩を出してまた出口を塞いで見せた。


 それを見て漸く両親は理解出来たみたいだ。多分無理やりだろうけど、そういう物だと思うしか無いよね、別空間なんて理解の範ちゅうを超えてるから。


 森に出てから両親に今から使う魔法について説明した後、冒険者や魔物を探す為に魔力感知を使った。


 勿論、これが認知されていない無魔法である事も説明してある。


 ただ魔法を使っても両親には解らないから、魔力感知で見つけた魔物の居る場所へ何も言わず向かった。


 魔物を見つけて射程距離に入ったら、何の躊躇も無くエアカッターで首チョンパ。


 それを見た両親は、何が起きたのか理解できないでいた。


 この世界に俺のエアカッターの魔法があるのかは解らないが、両親は少なくとも見たことがないそうだ、風魔法なので目に目ないのだから元から見ようがないのだけど。


 その後は俺が使える魔法の属性全てを見せたのだが、光と闇は理解出来なかった。


 光と闇は俺でも理解できないからね? 光と闇で攻撃???? 未だにこれには慣れない。


 倒した魔物もアイテムボックスにしまい、大体現状俺が使える魔法は全部見せたので、地下室に戻る事にした。


 帰りのトンネルの中で母ちゃんが不思議そうな目で俺を見ていた。


「マーク、行きもそうだけど、森でもかなり魔法を使ってるし、今もライトの魔法を使ってる? みたいだけど魔力は大丈夫なの?」


 俺は生活魔法のライトは使っていない。俺のは光り魔法、見た目だけライトに似せている。


 生活魔法のライトは付けてる間ずっと魔力を使うけど光魔法のライトは最初だけ魔力を使うけどその後は自分の魔力は使わない。


 属性魔法は殆どそうだが、初めに込める魔力で強度や効果が変わる。


 解りやすく言うと、生活魔法のライトは短い時間付けるだけなら1の魔力を使うとする、でも継続して使うなら一定の時間ごとに1の魔力が必要なる。


 これが10分で10の魔力を使うとすると30分なら30の魔力ということ、では属性魔法のライトは始めに10の魔力で30分もつということ。


 使用時間が同じ30分でも、魔力が10と30では大きな違いがある。


 ライトの魔法の説明を母ちゃんにした後、俺の今のMPを教えたら、母ちゃんは目をパチクリとさせながら驚いていた。


「マークどうしてそんなにMPが多いいの?」


「それはね、ふやすほうほうをしってるから」


 そこで何も気にせずMPを増やす方法を母ちゃんに話したら、一瞬殺気を感じたので、頭を庇ったら、案の定母ちゃんのゲンコツが飛んで来そうになっていた。


 そりゃ怒るよな。毎回昏倒するんだから、それにそれは同時に赤ちゃんの時からの不思議な俺の状態の答えを言っているようなもんだから。


 心配してた母ちゃんにしてみれば、ゲンコツも落としたいよね。


「おばか! 心配したんだからね」


「ごめんなさい……」


 ここは言い訳せずに謝るしかなかった。心配してたの知っていたからね。


 しかし、その後の母ちゃんの言葉で全てが台無しになってしまった。


「マーク、そのやり方後で教えてね」


 な、なんだよ! 俺のごめんを返せ! 折角素直に謝ったのに……。


 あとから、黙って聞いていた父ちゃんにも同じこと言われて、尚更俺の心は少し荒んだね。 ちくせう!


 地下室に戻ってから、俺の事は話せるだけ話したが、両親にとっては理解出来ない事も多いので、一日いや一晩ではどうしようもなかった。


 それに理解出来ても、それだけでは駄目なのだ。それらを踏まえて今後どうするかまで決めないといけない。


 1 俺の職業とスキルを把握する

 2 俺の魔法を把握する(この世界の魔法を知る)

 3 世間に公表出来る物と出来ない物を判別する

 4 物作りの結果起きる事への対策を考える


 大きく見ればこんな所だが、細かく考えるとこの何倍もある。


 職業とスキルに関しては俺も完全に把握してる訳じゃ無いから、今解ってる事は理解出来なくてもそう言うもんだと思ってもらうしかない。


 魔法に関しては両親の知ってる限りの魔法を教えてもらって、機会があれば図書館の様な場所があればそこに行って調べる。


 公表出来る物は、基本作った物。それ以外は現時点では公表しない。


 公表した物が世界に影響力があるのはポンプで証明されているから、マークは勿論家族の安全の為に両親もレベル上げをする。


 同時にMP増量法も行う。


 取りあえずは大まかにはこの方向で行くが、臨機応変に出来るように、報連相は密にする。

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