第17話 依頼
家族会議が済んで、やることが決まったら、一番にMP増量法を両親に伝授、昏倒するから夜寝る前にするように説明したが、俺の兄妹は出来ないのだろうか?
可愛い妹か弟が欲しんだけどな……。
ただやって貰う事には興味があるんだよね。大人がこれをやったらどれくらいMPが増えるのか? 俺の予測は2~3日に1~1.5ぐらい増えると思う。
もしくは1日1~1.5で俺と同じ、そうなると俺がこの先成長期に1日2~3なんていうのもあるかな?
こればっかりはしばらく様子を見るしかないな。
MPに関してはこれで良いんだけど、レベル上げについて話し合っていたら、とんでもない事を両親が言い出した。
「マーク、暫く父ちゃんも母ちゃんも魔物を討伐していないから、武器に慣れたいんだが、出来たらマークのやり方で作った武器で慣らしたいんだよ、だから作ってくれ」
はぁ~~何言ってるんだこの二人は、俺に武器を作れ? 慣らしたいと言うのは本当だろうが、目的は他にあるよね。俺の作り方が見たいんだよね、特に父ちゃんは。
分かるよ、俺が作ってる時にチラチラ見てたし、興味があるのは理解できるからね。でも俺5歳児だよ、普通言わないよね、まぁ俺を認めてくれたからの依頼だとは思うから作るけどさ、玉鋼から作らないといけないから超面倒なんだよ。
「それでとーと、かーのぶきはなに?」
返ってきた答えは父ちゃんは斧が二本、これは納得の武器、しかし母ちゃんは意外や意外槍だって。
まぁ依頼されたから作るけど、どうせ作るなら色々作ってみようかな?
父ちゃん用は斧(バトルアックス)、ハルバート、母ちゃん用は短槍、槍、薙刀を作ってみる。その他に武器じゃないけどナイフも作ろうと思う。
今度は堂々と作れるから玉鋼を作る所から父ちゃんに見せる。
「マーク、その材料は見たことないけど何なんだ?」
「あぁこれ、さてつだよ。 てつのすな、かわでとれるよ」
「川で採れる鉄の砂! そんな物があったのか?」
普通解らないよね、磁石があって鉄が磁石に引っ付くことを知らないと黒い砂が砂鉄だなんて思わない。
砂鉄自体が磁鉄鉱が風化して分離した物なんだけどね。だから砂鉄が採れるなら、川上には鉄鉱石も磁鉄鉱もある、だから天然の磁石もあるという事。
「とー、うちでつかってる、てっこうせきはどこでとれてるの?」
この際だからうちの鉄鉱石は何処で採れてるのか聞いてみた。
「鉄鉱石は隣のグーテンから買ってるぞ」
え! そうなの、家の村の傍の川ってどこから流れて来てるんだ?
「とー、うちのむらのかわってどこからながれてるの?」
「妙なこと聞くなマークは、あの川はこの領の山から流れているぞ」
そうなの~~~これはまたやばい事を知ってしまった。父ちゃんに教えた方がいいのかな?
「とー、もしだよ、てっこうせきが、このりょうでとれるとしたらどうなるかな?」
こんなこと言えば採れるよと言ってるようなもんなんだけど、黙っていても良いことないしね。
「はぁ? もしかして鉄鉱石がこの領で採れるのか?」
「うん! たぶんとれるよ。かわにさてつがあるならかわかみのやまでね」
俺がそう言うと父ちゃんは黙って考え込んでしまった。
「領主様にお教えした方が良いのだろうが、実際に採れる事を確認しないと難しいかな?」
そうだよね、可能性で話して出ませんでしたでは下手すると処罰されかねない。
そうすると一番良いのは、自分達が見つけてからの方が良いんだけど、山までどのくらいあるんだろう?
「とー、むらからやままでどのくらいあるの?」
「山までか、そうだな大人の足で半日と言う所か」
大人の足がどれくらいかは分からないが、半日と言う事は俺なら一日は掛かるな。
俺のレベルが同年代ではずば抜けていて、MPは異常に高くても、HPは大人に比べれば高くない。
「じゃ、ぶきができたら、ならしもかねてさんにんでやまにいかない?」
まるでピクニックに行くようなノリで父ちゃんに言ってみた。
「ん~~~~~いきなり山か~この辺の森や山には特別強い魔物はいないが父ちゃん達は久しぶりの狩りだからな……」
両親のレベルがそれなりに高いのはやっぱり魔物を狩っていたんだな。
素材というより食べる為という感じだったんだろう、狩りって言ってるから。
魔物で思い出しましたが、魔石って何に使われていると思います?
ダンジョンの魔道具にも魔石は付いているんですが、魔力の補充で使えるから必要ないんです。
では何に? 殆どがポーションと肥料だそうです。ただ大きなものは装飾品として使われているようです。
ホーンラビットの魔石だと本当に小さいので、砕いて畑に蒔くと作物が良く育つので肥料のように使われていて、ゴブリンやボアの魔石はポーションの材料に成っています。
オーククラスに成ると剣の装飾やアクセサリーに使われています。
宝石より簡単に手に入りますから重宝してるみたいですが、価値的には宝石に劣るので、小さい物は使われない。
俺がこの先魔道具を作ったら、魔石の価値は全く違ったものに成るな。でも作る時は最低でもオーククラスの魔石を使うようにしないと、ポーションや肥料に使えなくなって、困る人が出るから気を付けないとね。
2週間後、依頼された武器は完成した。
「マーク、頼んだ武器じゃ無い物も作ったみたいだがこれも使って良いのか?」
「うん!いいよ、いろいろためしてみてよ。つかわないなら売ってもいいから」
「何言ってるのマーク、折角マークが私達の為に作ってくれたものを売ったりしないわよ。それにしても面白い形をしてる物があるわね」
薙刀とハルバートを見て両親は興味を持ったようだ。両方ともこの世界には無い武器だから、使ってみたいんだろう。
「マーク、ちょっと使ってみたいんだけど、森に行かない?」
あれ程森は危険だと俺に言っていたのに、この変わりようは納得できないが、新しい玩具を手に入れた時の気持ちも分かるから、仕方なく連れて行った。
俺が行かないと、出口が開けられないからね。
森に着いてからの二人のはしゃぎようは凄かったね。
母ちゃんは今まで槍で突く戦い方だったから、正確に突かないと致命傷が与えられなかったけど、薙刀だと切るだから多少ずれても致命傷になるから、楽に討伐出来て楽しかったみたい。
父ちゃんも長物のハルバートだと距離を取りながら戦えるし、切る、砕く、刺すが出来るから、面白かったみたい。
俺がいい加減帰ろうというまで、俺に魔物を探させて自分達だけで狩りをして
帰る時にはもう二つの武器のとりこに成っていて、絶対に売らないと言っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます