第4話 かー&とー

 両親のベットでの会話を聞いてから、はや数か月発声練習のかいもあり。


 頭の中 (あめんぼあかいなあいうえお)

 実際  「あえんぼあやいなあいうぇよ」


 これでも頑張ったんですよ……本当に……ぐすん。


 あれから本当に俺は心を入れ替え自重しています。やっているのは歩行練習と発声練習、そしていつもの昏倒。


 そんな中、良いこともあったんです。昏倒の時間が短くなってきたんです。


 前は一度昏倒すると最低でも4時間ぐらいは目が覚めなかったんですが、最近は長くて3時間ぐらいに成っているんです。


 この違いは何なのか解りませんが、体が成長して普通に寝る時間が減って来てるのが関係してるのかも?


 歩くのはまだまだヨチヨチですが途中休憩を入れれば、コケることも無く部屋の端から端まで歩けるようになりました。


 これが早いのか遅いのか分かりませんが両親が喜んでいるのでOKと言う事にしています。


「マークご飯よ、こっちにいらしゃい!」


 最近の母ちゃんは俺が歩くのが嬉しいみたいで何かというと歩かせようとします。


 前は抱っこして連れてってくれてたのに……まぁいいんだけどね。


 今日は俺にもサプライズがあるのです、何かというと


 母ちゃんが俺を抱っこして俺専用の椅子に座らせようとした時、母ちゃんを見つめて、


「かー」「かー」


 母ちゃんはきょとんとしています、あれ? 解んないのかな? しょうがないもう一度、


「かー」「かー」


 母ちゃんは首を傾げて???


 そこへ父ちゃんがやって来たので、指をさして


「とー」「とー」


 父ちゃんは訳が分からず? でしたが、母ちゃんがはっとして何かに気づいたように自分を指さしたので、


「かー」


 次に父ちゃんを指さしたので


「とー」


 その瞬間母ちゃんに抱きしめられました。


 その顔は笑ってるのか泣いているのか分からない顔をしていました。


「エンター分からない? マークが私達を呼んだのよ」


「かーが私、とーがエンターあなたよ」


 父ちゃんはやっと理解したのか俺を見つめて自分を指さした


「とー」


「そうかそうかわしが、とーか」


 父ちゃんは俺を抱き上げぐるぐると回転し始めた。


「とー」「とー」


 俺は振り回されるのが怖くて嫌だという意味で父ちゃんを呼んだんけど、父ちゃんは俺が喜んでいると思って、{今日は余分に増しています}状態になって、俺がぐったりしてるのが分かった母ちゃんが止められるまで続いた。


 父ちゃんは後で母ちゃんにしっかり怒られていた、正座で……。


 俺のサプライズはとんだ結末を迎えましたが、それからは「かー」「とー」が両親の呼び方で定着しました。


 両親はこの言葉の意味を理解してるのだろうか?


 父ちゃんの「とー」、母ちゃんの「かー」 前世の記憶がある俺はやっぱり

「パパ、ママ」は言えなかった。恥ずかしいのよ。


 この年でお父さん、お母さんもおかしいでしょ。それに田舎の鍛冶屋の息子なら父ちゃん、母ちゃんの方がしっくりくると思ってこれに決めました。


 あれから数か月経ってこの世界の情報がまた少し増えました。


 それは暦です、大体地球に似ていますがちょっと違います。


 1時間は何分か分からない? 分や秒があるのかも分かりません。

 1日は24時間 

 1週間は7日

 1月は30日

 1年は360日

 1週間の曜日 ここは地球と全く同じ 月、火、水、木、金、土、日


 何でこうなのかは分かりませんが、俺としては分かり易くて助かる。


 24時間は割と正確なんだって、昔は日時計だったから狂いがあったみたいだけど、今は水時計、それも何年も掛けて正確性を調整したから1時間はしっかり計れているそうです。


 1時間が計れるなら分も調べれば良いのにね、まぁこの世界の生活だと分とか秒は必要ないけど。


 基本、日が昇れば仕事始め、日が暮れれば仕事終わりみたいな生活だからね。


 これに関連して、ランプが普通で獣油じゅうゆが燃料、魔道具もあるみたいだけどとても高価で庶民には手が出ない。


 そうそうこれも重要、異世界らしく魔物はいます。だから冒険者もいるそうです。


 そしてダンジョンこれがとても重要、魔道具は此処から出る物だそうで、作っているわけではないので余計に高価だそうです。


 定番のスタンピートも起こることはあるそうですが、今の所大きな被害は出たことは無いそうです。


 間引きというのですか? これがちゃんと出来てると起こらないみたいです。


 幸いうちの村の近くにはダンジョンはありません。 ラッキーV


 そうだ家の両親のステータスも紹介しておこう 誰に?


 名前 エンター(とー) 

 種族 ドワーフ

 状態 良好

 職業 鍛冶

 レベル20

 HP 550/550  

 MP 215/215 

 スキル  生活魔法 鍛冶 木工    

 魔法 火魔法


 称号  ー



 名前 モリー(かー) 

 種族 ドワーフ

 状態 良好

 職業 彫金

 レベル15

 HP 460/460 

 MP 155/155

 スキル  生活魔法 彫金 裁縫   

 魔法 火魔法


 称号  ー


 これを見ると俺のMPの異常性が分かるでしょ、2歳にも成っていないのに、父ちゃんの倍以上ある。


 そうだ取って置きの情報がもう一つある。それはね、この世界にはポーションがあります。普通だろう、そう言わないでください。


 前世持ちの俺からするとあの不思議現象は理解を超えているんですよ。


 俺が見たのは父ちゃんがちょっと作業中に火傷した時なんですが、ポーションを振りかけたらあら不思議、傷跡も残らず綺麗に治ったんですよ。これを理解しろというのが無理なんです。


 それにしても鍛冶屋が火傷するなよ父ちゃん……。


 この時にもう一つ聞いたのが、治療の魔法はあるそうで治癒魔法、光魔法や闇魔法はないそうです。


 魔法は火、水、風、土、治癒の五属性


 光と闇が無いように隷属魔法何ていうのも無いから奴隷もいません。


 後から聞いた話だと奴隷がいる国もあるそうですが、これは身分上の奴隷と言う事らしいです。


 いや~転生先が奴隷とかで無くて本当に良かった!

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