第2話 1年が経ちました

 只今、絶賛掴まり立ちの練習中のマークです。こんにちは 誰に?


 異世界転生からもう1年が経ちました。享年が幾つだったかは良く分からないのですが、それなりに生きた記憶はあるんです。だからこの1年は退屈でたまりませんでした。


 やれる事と言えば、MP増量の為の使い切りをするだけなんです。でもね、これ夜はやれないんですよ。何故かって夜は両親と寝てるからです。


 そうそうMP増量は瞑想では無理でした。


 魔力を感じるところから始めて、動かす練習をしながら意識を集中させて瞑想を1週間。


 変化は無くどうしようかと思いながら、使い切りをやるのを躊躇ためらっていた時、進展がないから気分転換も兼ねて、初魔法に挑戦しようとしたら、生活魔法なのに暴発させて一気にMPを持って行かれて昏倒。目覚めてステータスを確認したらMPが増えていたという落ちでした。


 生活魔法なのに暴発した理由は、普通1歳未満の子供は魔法なんて使いませんから、体が制御出来なかったのです。「良い子は真似しないでね」と注釈が入りそうです。


 使ったのがライトの生活魔法だったし昼間だったので、両親には気づかれませんでしたが、一瞬物凄く光った事だけは覚えています。


 そんな事も有りつつMP増量に励んだんですが、やるのが昼間ですから昼も昏倒で寝てるし、夜も殆ど寝てるから、殆ど泣かない赤ちゃんで両親が心配する程でした。


 昏倒してる時は垂れ流していても泣かないのです。そりゃ心配しますよね。


 現在のステータスが

 名前 マーク 

 種族 ドワーフ

 状態 良好

 職業 ー

 レベル1

 HP 20/20  

 MP 365/365 

 スキル (言語理解) 生活魔法 鑑定(解析) (アイテムボックス)     

 魔法 ー 

(固有スキル) (魔技)

 称号  (技巧神の加護)


 HPは1年で倍になり、MPは1年を過ぎるまでは1日、1回の昏倒でMPが1増え、

 1年を過ぎてからは1回で1.5増えるように成りました。


 ここまでMPが増えると生活魔法では昏倒まで持って行くのが大変なんです。


 ライトの生活魔法だと魔力は光がある間は使い続けるんですが、それでも結構時間が掛かる。


 生活魔法って元々消費魔力が少ないし、それにちょくちょく母ちゃんが様子を見に来るので、つけっぱなしには出来ないから中々減らないのです。


 母ちゃんが来るタイミングがMP切れ寸前だと、母ちゃんが居なくなるまで気分が悪いのが続いてもう大変です。


 1度魔力枯渇の状態からの回復でもMPが増えないか試したんですが、確かに増える事は増えるんですが、起きてる状態だとMPの回復が遅いんです。


 だから気分の悪いのがかなり長く続くので、これなら昏倒した方がまだましなので今は使い切って昏倒をしています。


 親に心配をさせてるのは気が引けますが……。


 ここで家族の紹介をしようと思います。  


 父ちゃんの名前はエンター 35歳 

 母ちゃんの名前はモリー 32歳

 そして長男の俺マーク 1歳


 両親の年齢が少し高いように思えるでしょうが、ドワーフの30代は人族の20代前半だそうです。


 ドワーフはエルフのように長命では無いですが、人族よりは長く150歳ぐらいまでは普通に生きるし、長く生きる人だと200歳ぐらいまで生きるそうです。


 うちの家族が住んでいる国は、大陸の西の海側に有るマーサル王国


 村は国の西南の端にあるザック男爵領の三村のひとつザック村。村は海からは少し離れた場所に在って森と山に囲まれています。


 ザック男爵領のザック村なのにここに領主は住んでいません。何じゃそりゃです。


 山の向こうは他領、所謂領境ですね。農地もそこそこ在って、森と山があるので林業や家具職人が多く住んでいる村です。


 父ちゃんは勿論、剣等も作りますが、もっぱら普段は職人や林業で使う道具や調理器具を作っています。


 母ちゃんは自宅の小さな畑の世話と家事、勿論、今は子育ても……。


 此処までの事が今分かっている事です。まだしゃべれませんし、自分では行動できませんから、母ちゃんが抱っこしながらの散歩と世間話を聞いたり、父ちゃんの店に来るお客さんの話を耳を皿のようにして集めた情報です。


 当然うちの様な村に住んでる庶民の家に本なんて有りませんから、今はこの程度しか分かりません。


 ここからは後日談も含んでいます。5歳に成ったら教会で洗礼を受けて神様から職業を授かるそうです。


 職業を授かったからと言ってその職業に着く必要はないのですが、その職業に役立つスキルなら取得が早いそうです。ただ早いだけで違う職業の人でも修練すれば授かります。


 まぁ目安ですね。神様からあなたは、この職業が向いてるよというアドバイスのような感じです。


 実際その職業に着くか、そうで無い職業を選ぶかは半々だそうです。父ちゃんは鍛冶で母ちゃんは彫金でそのままの職業に就いたようです。


 俺はどんな職業を授かるのかな?


 楽しみでもあるけどステータスをみると怖い気もします。何と言ってもチートですから。以上!


 お! 立てた! 誰も見てないけど短い指でVサイン。


 その油断が平衡感覚を狂わせ思いっきり尻餅をついた。その痛みに精神年齢とは裏腹に条件反射のように


「ぎゃーわー」


「あらあら、まあまあ可愛いマークどうしたの?」


「おっぱいはさっき飲んだでしょ、オシメですか?」


 母ちゃんは俺を抱っこしてオシメを確認したりあやしてくれるが、どうも赤ちゃんの身体は直ぐには泣き止まず、暫く泣いて疲れたのか眠ってしまいました。


 母ちゃんにしてみれば、日頃泣かないから泣いてくれて安心でもあり、不安でもあったようだ。


 目覚めた時、珍しく母ちゃんが俺を抱きしめて添い寝していました。また心配かけたかな?


(心の中でごめん母ちゃん)

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