第5話



 お腹がはち切れそう……。

 何が可愛いだ、こんなの変だ。

 苦しくて、俺は右京の異物を咥え込んだまま身体が四つん這いで硬直していた。

 動かれると後戻りはできない、何故かわからないがそう思った。

 囁かれた耳は熱くなり、吐息の余韻すらこそばゆい。

 少しでも動いてみろ、殺す。そう思いながら吐く息を甲に掌を握りしめる。


「新の中ー…凄くキツいね……」

「アっ……うぅ……ハッ……うっ……」


 動いたら、殺すっ。そう思いながら視界に広がったソファを睨み眉をひそめる。


「ううっ……アっ……うっ……」

「安心してー…直ぐには動かないから」


 ぽん。腰を軽く触れられた拍子にガクンと腹が沈んだ。糸が切れたかのように荒い息があがる。


……おかしい!


 まるで自分が誰かに操られているようで怖かった。浅い息を続け目を瞑ると、耳から拾う音が強く感じる。


……おかしい!


「ハァハァハァー…」

「腰ー…揺れてるよ?」

「ちがっ……身体がっ、勝手にッ」


 おかしい、おかしい……! おかしい、俺……!!

 だって右京はまだ突いてもいないのに。なのに、俺ー…腰が……止まらないッ!


 早く身体に馴染ませたい、もっと奥深くへ欲しい、動いて欲しいとでも言うように独り激しく腰を振っていた。

 体の奥がじんじんと疼き得体のしれない感覚を欲している。


「勝手にー…? エッチ過ぎるよ新」

「ー…うっアッ?! んッ……?!」


 お尻を突き出し羞恥をさらした俺に待ちきれず右京が肉壁を擦り上げる。


パンッバチュンッ


「やッぅ……待っ……動……かれるとッ痛……」

「ごめん止められない」

「嘘……つきぃい……アッ……んんッ」


 直ぐに動かないって、言ったくせにー…。

 散々やらしい場所をなぶられ、犯され、息も絶え絶えになる。

 痛みもこしょばゆさも快楽に変わっていった。


「可愛い。もっとー…喘ぎ声聞かせて」

「あっ……なんでっ……こんなっー…するんだよぉ……」


 腹から胸元までゆっくり撫でていくと、胸元にあるピンク色の突起の先端を爪で弾き刺激を与えてきた。


「好きだから。ずっと好きだったから」


 右京の告白は惚けた脳にゾクゾクと染み渡った。

 貪る様なピストンと指先を小刻みに動かし続けられ、込み上げてくる快感に開いた唇から唾液が零れた。


 俺と右京おまえは今日初めて会ったばかりだというのにおかしなこと言う。


 そうして理性を飛ばし、俺は射精をした。



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