第4話加藤理沙
次の日の朝、学校へ行く準備をしているとスマホに通知が届いた。
加藤理沙:朝予定が入ったから放課後でも大丈夫?
放課後に特に予定は無かったので大丈夫と返信した。
するとすぐに既読が付き、OKと猫のスタンプで返事が来た。
「そろそろ行かないと……」
バッグを持ち、部屋を出る。
「いってきます」
誰もいない家に向かって呟くように言う。
学校に着くと、教室には既に何人かクラスメイトが集まっており談笑していた。
自分の席に座り、持ってきた本を読む。
読書に集中しようとしたその時、誰かが肩に手を乗せてきた。
「おはよう、颯太」
「あぁ、おはよう」
彼は隣の席の男子生徒で、よく話したりする仲だ。
「昨日の配信見たか?」
「もちろん」
「あれはヤバかったな、またファンが増えそうだな」
彼の言うとおり、昨日の配信はかなり好評だった。
事件の謎が解けるかと思えば、全く別の方向へと話が進んでいき、結局犯人は分からずじまいで終わってしまった。
コメント欄では惜しみ無い拍手のコメントが送られていた。
「そうだな、凄かったよな」
適当に相槌を打ちつつ、本のページをめくる。
「それでなんだけど……お前、昨日の事件解決してくれないか?」
「断る」
即答する。
「まだ何も言ってないだろ!?」
「どうせ、俺に協力して欲しいんだろう?」
「そうだ、頼むよ〜」
両手を合わせ、頭を下げてくる。
「嫌だよ、面倒臭い」
「あの事件を解決出来たら有名人になれるぞ」
「興味ない」
「今度のテスト、教えてやるよ」
「…………」
「な?良いだろう?」
「仕方ないな……少しだけだぞ」
「ありがとう、恩に着るぜ!」
皆が登校してきた。朝のHRが始まる時間なので、それぞれが自分のクラスに戻っていく。
俺は本を鞄にしまって机の中にしまう。
担任の教師が入ってくる。
いつものように出席確認をして、授業が始まった。
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