第4話 ここからは課金地獄です

<トウヘイはレベルアップした! 体力が50アップ! 魔力が……>


 無機質な女性の声が俺の頭ん中に響く。



 トウヘイ


 レベル:2/9999 

 体力:100

 魔力:100

 攻撃力:100

 守備力:100

 素早さ:50

 運:100

 スキル:水魔法レベル1、伸びしろハンパねぇ


「レベル上限が9999って!」


「それが、スキル『伸びしろハンパねぇ』の効果だ」


 フェリアスが端的に説明する。

 つまり、俺は伸びしろが半端ないらしい。

 だって、レベルの上限が9999まであるのだから。

 ドラクエでも99が上限だからそれを考えるとハンパねぇ。

 ……ってか、パンパねぇって言いたいだけかもしれん。


 しかも、驚いたことに、ガチャで引き当てたスキルは、そのまま引き続き使えるみたいだ。


「よーし! どんどんガチャを回して! 色んなスキルゲットだぜ!」


 俺は調子に乗って、背中のレバーに手を掛ける。

 ガチャ、ポン!

 ガチャ、ポン!


「くそっ! クズばっかだ!」


 俺が2回ガチャを回して引き当てたのは、


『空間から緑茶を出す』

『スペランカーが上手くなる』


 だった。


 マジで、このガチャマシーン、ぶっ壊してぇ!


「くそっ! もう一回だ!」


 俺はガチャ中毒。

 ガチャジャンキーだ。

 いいアイテムが当たるまでやめられねぇ!


「あれ?」


 何度回しても出ない。


「フェリアス……」


 俺は問い掛ける様に彼女を見る。


「ふむ。さっきも言っただろうに。トウヘイは何回ガチャを回した?」


「えっと……」


 俺は指折り数えた。


「5回、かな?」


「じゃ、もう5連ガチャ無料セールは終わったのだ」


「あ……」


 俺は口元に手を当てたまま、目が点になるのが分かった。


「やっぱ、そういうこと?」


「やっぱ、そういうことだ」


 つまり、今までのガチャはサービスで回させてもらっていたのだ。

 これからは、課金しなければならない。

 これって、課金スマホゲームと同じじゃん。

 始めは、無料で釣っておいて、核心に迫るところは有料。


 搾り取られる。


 最後の汗の一滴まで。


「ひええええええ!」


 そういえば、コインを入れる穴みたいなのもあった気がする。


「何で気付かなかったんだ。俺は……そんなことなら、もっと丁寧に回していたのに……」


 頭を抱えて自分の行いを後悔する。

 だが、もう遅い。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転生したらガチャを背負って戦うことになった件 ~ランダムスキルは伸びしろ半端ない不遇者をチート化~ うんこ @yonechanish

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ