第2話 転校生

―――朝のホームルーム―――

「ホームルームを始めるぞ。今日の連絡事項は・・・・・・」


(推しの中の人が自分の通っている学校と同じ学校に通っているということを知った。しかも、すごくかわいい。中の人がVの体よりかわいいことあるんだな...

あんまり迷惑かけないようにしないとな、俺は生粋のオタクだからな。)


「今日は転校生を紹介するぞ。」


「ざわざわ...ざわざわ...」

クラスのみんなが騒ぎ出した。


「静かにしろ~!入りずらいだろうが!」

「入っていいぞ~」


ガラガラガラ

扉が開いた。

見覚えのある顔が入ってきた。

猫耳アイスだ!?


と、心の中で叫んだ。

同じクラスマジ?これで俺も皆勤賞間違いなし!


「猫谷 夏美とといいます。これからよろしくお願いします」


「よっっしゃああああああああああああ」

握りこぶしを掲げて叫び椅子を立った。


クラスの周りの視線が熱くなる

猫谷さんがにらんでくる。


「あっ」

「失礼しました。」

席に座った。


「じゃあ、猫谷は武井の隣な、変わったやつだが、悪い奴じゃないんだ。すまんが、とりあえずそこに座ってくれ。」


さっきの一言だけで今まで築き上げた信頼は地の底に落ちたようだ。

俺の信頼うっす!!


彼女は席まで来ておとなしく座った。


「放課後付き合ってくれる?」

こちらを向いて優しく言ってきた


「え?」

もしかして惚れられてたり?・・・


数時間があっという間に過ぎて・・・・・・


―――――――放課後―――――――

集合場所は校舎裏か...

(これは定番のやつ!?今まで勉強と推し活しかなかった俺にも春が来たのか)


「お待たせ」


「今来たところですよ」

俺はすかして言う


「そう、話っていうのはね、わたしがVtuberをしていることを言わないでほしいの」


(どうやらまだ冬らしい)


「それはどうしてですか?」


「それは活動がしにくくなるからよ」


「いろいろありますもんね。」


「そうなの、万が一があっては困るから。」


「わかりました。」


確かに身バレはデメリットしかない。中の人が学生ならなおさらだ。

一部の過激なファンによる、住所特定、傷害事件につながりかねないことだ。

まあ、中の人が可愛すぎて解釈一致という声があがる場合もあるが,,,

この人には当てはまりそうだな


「まあ、もう手遅れだとは思いますけど」


「え!?もしかして、もう誰かに言ってたりするの!?」


「言ってないけど俺にバレているじゃないですか...」


「ひ、一人ならまだ大丈夫よ...ね?」


ネットリテラシーが高いのやら低いのやらわからないなこの子は。


「あなた、猫谷姉妹のチャンネルのスタッフになって!」


「え?」


「あなたがほかの人に言いふらさないか信じれないから私たちの近くにいて!

明日色々話すから学校休まないでね。じゃあバイバイ」


「え、ちょっと待って―――――――――」


本当にこの人は人の言う事を聞かずに。

まあ、四捨五入すれば告白ととらえられなくもないか、、、

俺ってキモイな。





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