第15話領主邸襲撃

領主邸 執事






上座に座る領主代理が商談をしている。




「来月の補給はこちらの品目を記入の数だけ手配してください。費用に関してはいつも通り月末にまとめて支払います。」




「いつも御贔屓にしていただきありがとうございます。おや?今回は矢の補充が少なめですね?」




「あぁ、前線で鳥系の魔物が少なくなったとのことで今回は矢より剣や薬の補充のほうを優先してほしいと手紙が届きまして。」




「そうでしたか。かしこまりました。3日後までに馬車とともにご用意させていただきます。」




「ええ、お願いします。」




話がまとまったので商人を南正面口玄関に見送りに向かう。




領主邸の西館に守備隊員の兵舎がある。東側に離れの建物があり執事と使用人の宿舎となっている。




「それでは補給物資の件よろしくお願いいたします。」




「かしこま・・・・おやあれは・・・・・魔物!?」




その言葉に急いで振り返る。




「な!?どうして!?西側は北の監視も任務にしているはずなのに!?」




大変だ。すぐに手を打たないとまずい。




「敵襲!敵襲!!魔物があらわれたぞー」




兵舎から7人ほどの人数が走って出てきた。




「魔物だって!?」




「どこだ!?」




本来7人とは言わず常駐している兵は30人は超える。




しかし24時間待機状態にするため戦闘待機状態の兵は数人しかいなかった。




そして私自身動揺し、最も重要な情報を言っていなかった。




どこに?どんな魔物がいるのかを伝えていなかった。




そのため最初の7人は槍や盾を持って出てきてしまった。




さらに周りを探し見つける時間があったために敵の接近を許してしまった。




射程距離に入った魔物たちは正面玄関に炎を放ち出入りが火に覆われてしまった。




これでは奥様が出ることができない。




最初に出てきた者たちのうち3人以外は弓矢を取りに戻ってしまった。




その3人は水魔術を使い火を消そうとしているが予想以上に建物への燃え広がりが早い。




魔物の数が増え優に50体は超えている。




20体が魔術を使い残り30体は建物を壊しているから消せるわけがない。




私も普段は使わない魔術を使い何とか奥様を助けだそうとしているが火はますます勢いを増している。




そもそも数が違いすぎるのだ。




魔物の攻撃で壁が崩れ落ちる可能性があるため奥様は階下に降りて1階に降りてきている。




西館から守備兵の全員が急いで出てくる。今度は全員完全武装である。




さらに南側からも人が走ってきている。状況を見て助けに来たのだろうか?非常に助かる。




「大変だー!西門が破られた!!魔物が教会に向かっている!」

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