第57話 『地球の正義』 その9
王宮では、王妃さまが言った。
『ぷりんさま、あなたを、女王として迎えます。陛下は、このところ、前国王の亡霊になやまされていました。ふたりで、霊廟に入ります。』
ナンバー8が叫んだ。
『それは、なりません。沢山のことが、やりかけです。投げ出してはなりませんぞ。それに、食べられる側に、絶対に力を渡してはならないです。われわれが、食べられてしまう。』
『あなたさまは、プリンさんに従いなさい。プリンさんは、あなたを、大切になさるでしょう。』
王妃さまが静かに言った。
すると、プリンさんが答えた。
『あなたこそ、逃げ出してはなりませんしし。沢山の食べられる側を苦しめた。その罪は軽くないししし。逮捕しましし。』
『いや、プリンどの、いや、陛下。ここは、穏便に。』
ナンバー8が懇願に転じた。
変わり身は早いやつだ。
すると、プリンさんが言い渡したのだ。
『国民が納得しません。けじめを付けなければ、ものごとは、良くなりませんしし。罪は罪として、認めるべきでしし。あなたも。』
『いや、それは、ならん。ならん。親衛隊たち、プリン殿を拘束せよ。』
『ナンバー8、なりません。』
王妃さまが叫んだが、駄目だった。
親衛隊は、ひたすら現国王のためにある。
まだ、隊長は、国王の力が上と見ていた。
彼らは、プリンさんに殺到した。
しかし、いったん動き始めた事態は、もう、止まらないのだった。
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