第56話 『地球の正義』 その8


 そこで、プリンさんがまた立ち上がったのだ。


 『いま、われわれの食べられる側が、王宮の周辺を制圧しましし。王室は、あきらめて、はやめに、降伏しなさいまし。』


 『なんと?』


 王妃さまが、やや、疑惑の色を見せたような気がした。


 ふつう、『われわれ』は、感情の表出が下手くそで、つまり、まあ、できないわけだ。


 『内部から、導かせて頂きまししし。あの『麺』を配備したししから、王宮は、もはやはだか同然。だから、さっぱり。諦めしし。』


 『プリンさんは、なかなか、こわい『われわれ』だったわね。』


 オブザーバーで来ていたふみたいが言った。


 すると、じょうめが言った。


 『そうだ、ふみたいさん。あなた、たしか、ほんとうは、科学者よね。』


 『はあ? じょうめさま、なにを、勘違いなさってますか?』


 『え?』


 ぼくは、ふみたいとじょうめを見比べた。


 『調べたわ。あなたは、地方の警官をしている器じゃない。京東理科科学大学で、1番だったエリート。文武両道。しかし、地球中央情報院のスパイ。まあ、2重か、3重かわからないけどね。調べるの、苦労したけど、こっちも、プロだから。敵じゃないけど、わが政府とは無関係。『麺』を作ったのは貴方ね。『食べられる側』と、協力関係にあった。』


 『ほう。まあ、ここまできたら、いいでしょう。そうよ。』


 ふみたいが、かなり、偉そうに見えた。



        🍜🍥



 

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