第55話 『地球の正義』 その7
とはいえ、つまり、『われわれ』と同じ次元で、まともに戦ったって、ほんとうに地球に勝ち目はあるのか?
あの、正体不明の『麺』攻撃が効いているのは確かみたいだし、さらに、今の地球の宇宙船が持つ兵器が脅威ではあるらしい。
ならば、もう一撃加えるべきではないのか。
優位にたって、和平にしたいのではないか?
第二次大戦末期の核攻撃を考えてみれば、また、第三次大戦にあっても、そうだった。
いやいや、そうすると、和平はならないかもしれないし、復興が困難になるかもしれない。
それにしても、あの『麺』を作ったのは、『われわれ』の食べられる側なのだろうか?
それとも、地球の誰か?
すると、じょうめが言った。
『和平は歓迎したいですが、しかし、まずは、あなた方が、内部の和平も確立してほしい。でないと、あぶなっかしくて仕方ないから。』
『ならば、このまま、この会議を三者和平会議にいたしましょう。われわれは、われわれの、食べる側、食べられる側、地球の三者による、暫定政権を提案いたします。』
『ちょっとまって。それはだめよ。それでは、地球が、両方に支配される構図になる。受け入れません。地球からは手を引き、あなた方は、あなた方の世界に帰り、まず、和平を構築しなさい。その後に、また、交流について話し合いましょう。拒否するなら、攻撃します。』
じょうめが強気に出た。
しかし、それが正論だろう。
『われわれ』の魂胆は、もう、明らかではないか。やはり、地球の支配権を狙っているんだ。
🍡
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます