第45話 『われわれの正義』 その12


 ナンバー8は、つまり、席に着いたらしい。


 それが判るのは、ぷりんさんだけである。


 『席についたし。』


 ぷりんさんがそう、言ったのである。


 『では、わたくしが、司会をいたします。警察庁長官、万女梅、と申します。この際、ご理解ください。』


 じょうめが立ち上がって言ったのである。


 誰も、異議は唱えない。


 『この会議は、平和を求める会議です。意見の違いがあっても、それを乗り越えるように努力しましょう。まずは、『われわれ』の両者が和平に達すること。それを、地球が仲介したい。次に、『われわれ』が、地球を侵略することをやめてもらいたいのです。』


 『異議がありましたべら。』

 

 ナンバー8の、見えている、うごめく触手が言った。


 『われわれは、侵略などしていないしべら。里帰りを成したいだけなりべら。』


 『ならば、なぜ、地球を攻撃するのですか?』


 地球連盟副議長が、さっそく反論した。


 『副議長。まず、地球は、『われわれ』の内部抗争を静めたいのです。』


 じょうめが、正論を言った。


 『失礼ながら、わたしには、対立する異議がある。なぜ、この連中の内輪揉めを仲介する必要がある?』


 すると、じょうめが答えた。


 『あなたが、そんなふうにおっしゃるのは、きたいです。地球は、仲介を求められたからです。双方から。』


 『たしかに。しかし、攻撃された時点で、それは無くなったと、わたしは、見ている。違うかね?』


 じょうめは、慎重に言った。


 『なるほど。では、ナンバー8さま。あなた方は、地球に対する攻撃を、どう、説明なさいますか?』


 みなは、ナンバー8の回答を待った。



        🐙


 


 


 

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