第42話 『われわれの正義』 その9


 『われわれは、われわれの、われわれであり、われわれが、われわれをして、われわれのための、われわれなのだ。したがいまして、われわれのための、われわれである。だから、われわれは、われわれの、われわれの正義のため、われわれがたいしての、われわれにたちむかい、われわれは、げきはする。それが、われわれの、われわれの、ための、われわれによる、われわれなのだ。降伏しなさい。すぐに。でないと、惑星崩壊システムを作動させるだろ。われわれは、われわれである。地球の諸君。覚悟なさい。』


 じょうめは、呆れたように言った。


 『なに、いってるのかなあ。これ?』


 『長官、んな、のんきに言ってる場合ではない。きみは、国内の治安を維持したまえ。』


 官房長官が述べた。


 『わかってます。しかし、首相の会見が必要ですよ。早くしなくては。』


 『わかっておるわ。いま、原稿を用意しておるわ。』


 『そんな。すでに、用意がなくてはなりません。【われわれ】が攻撃してくる可能性はあったのだから。』


 『ばかな。あり得なかった。』


 『あれほど、申し上げたでしょう。』


 『きみは、主担ではない。つつしみたまえ。』


 『まあ、まあ、官房長官、まて。あせるな。』


 首相が言った。


 『はあ。しいません。』


 『国防大臣さん。応戦の状況は?』


 『地球各地に攻撃があり、各地方政府が対抗していますが、なにせ。相手の姿が見えません。どこを攻撃して良いのか、皆目解らない。もっか、地球防衛会議が、分析はしてますが、まだ、解らないですよ。』


 『専門家を呼びたまえよ。』


 『だれ?』


 『われわれの一族だ。食べる側でも、食べられる側でも、協力してくれてる。ほら、あの、なんだ?』


 『いわゆる、ボス、ですか?』


 『首相、あれは、怪しいですよ。議長の方が良いかと。』


 『情報大臣、失礼ながら、議長は、食べる側すぎる。いわゆる、ボス、なるは、食べられる側すぎる。中間派閥の、リーダー、がよいかと。』


 労働大臣が言った。


 『ばかな。リーダーには、力がない。やはり、議長だべよ。』


 安全大臣が反対した。


 じょうめが発言した。


 『全員呼ぶべきです。それが、一番です。お互いが干渉しあう。それと。ぷりんさんを、呼びます。』


 『ぷ、ぶ、ぷりんさん? なにかね、それは?』


 首相がいぶかった。


 現首相は、わりに、無派閥のリベラル中間派である。


 『われわれの、前国王のプリンセスです。』


 『はあ?』


 全員が、じょうめを見た。



         🍒




 

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