第38話 『われわれの正義』 その5
『じょうめが、食べる側の、幹部?』
ぼくが、うめいた。
『幹部、というよりも、地球支部長しね。』
『ばりばり、幹部だ。』
『しかも、王国にあっても、情報本部補佐官ねし。』
『それは、地球より、えらい?』
『まあ、出先のトップだからして、それなりし。』
『ふうん。』
『じょうめは、つまり、大スパイなのか。』
ふみたいが、やけに、感心したように言った。
考えてみれば、ふみたいも、食べられる側のスパイなんだから、無理もないか。
『ぼくらに、どうしろと?』
『あなたの、ボスには、通告ずみし。われわれの側としては、もはや、このような争いは、なんとかして、やめにしたいし。ぜひ、じょうめどのに、われわれ側に協力をしてほしいし。じょうめどのは、理性のあるかたとみたし。これから、あなたがたを、あの、本庁に、直に送りましゆえ、話をしてほしいし。あの道筋には、あなたがたを捕獲するための秘密部隊が張っていたし。こちらの、無敵戦闘ロボを、5人組で護衛にお付けいたしましし。ひとり、地球の軍隊、2000人分になりまし。つまりし、✖️5人組になりまさしし。ただし、王女さまは、こちらで、お預かりましし。』
『それって、人質?』
ふみたいが、やや、叫びぎみに言った。
『まあ、そういう言い方が、成り立たないとは、言えませんしが……』
『あたしが、そうするように、指示したし。』
プリンさんが、あっさりと、そう言った。
まったく、恩知らずである。
まさしく、訳わからなくなってきたので、ある。
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