第37話 『われわれの正義』 その4

 マダム・オケラが続けた。


 『われわれは、われわれの平和的な再統一を目指しますし。遥かな昔、われわれは、地球から、脱出しましたし。それは、新しい世界を欲したのと、まだ、長い発展途上にあった、あなた方の種族との無駄な抗争を避けるためれした。そうして、この、次元のかさなりに、隠れ住みましし。地球上には、将来、うまく誤魔化せるような資料だけ、残しましたし。当時、われわれは、今のように、食べる側と、食べられる側に分裂なんかしていなかったでし。それが、やがて、【食べ過ぎ王】の時に、内部抗争があり、二派に別れたのれし。そのまま、食べる側は、全体を支配さし、食べられる側は、その支配下で、経済を運営しましたし。それが、いつしか、いびつな関係になりましし。』


 『江戸時代みたいかなあ。』


 ふみたいが、ちょっと自信なさそうに言ったのである。


 『まあ、封建制というよりは、二重社会でし。それぞれが、自治しているが、われわれの全体は、食べる側が支配してます。』


 『ふうん。』


 『しかし、いちばん、あなた方に問題なのは、現在の王室は、地球の支配を着々と、計画し、実行ししていることれす。慌てず焦らずに。本来、地球は、島流しのためだけに使っていたのしに、その子孫や、組織を使ってでしが。つまり、じょうめさんは、その幹部れし。』


 『なんとお❗』


 ぼくが、思わず叫んだ。


 『危ないとみたので、横取りいたしましし。』


 『うそでしょう? じょうめは、われわれの指導者よ。』


 ふみたいが、うめいた。


 

         😤


 

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