第35話 『われわれの正義』 その2
しかし、ぼくは、あら?
と、思った。
『われわれ』には、名前がない。
犯罪者になった時だけ、名前がつく。
だから、正規の大臣とか大統領に、名前があるはずがないのだ。
ふみたいだって、そのくらいは知っているだろう。
と、いうことならば、このふたりは、外交上偽名を使ったか、あるいは、『食べられる側』の代表であると思われる。
しかし、偽名を使うことは、恥だから、まずない。
最近になって(もっとも、どういう意味で最近かは不明だが。)『食べられる側』に、陰の政府ができているという話は、実はぼくたちにも伝わってきていた。
ぼくは、躊躇する理由はないから、はっきりと尋ねた。
『お二人は、『食べられる側』ですか?』
大統領は、笑顔で答えたのだ。
『ようく、お分かりですね。その通りす。』
すると、ふみたいが言った。
『なぜ、『食べられる側』が、わたしたち二人を呼べたのですか?』
『そこでしね。つまりこれは、『われわれ政府』の、承認の下、行われたのでし。』
ぼくとふみたいは、顔を見合わせた。
プリンさんは、ちょっと見たことがないような、不思議な表情をしている。
(?_(*‘ω‘ *)?)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます