第35話 『われわれの正義』 その2


 しかし、ぼくは、あら?


 と、思った。


 『われわれ』には、名前がない。


 犯罪者になった時だけ、名前がつく。


 だから、正規の大臣とか大統領に、名前があるはずがないのだ。


 ふみたいだって、そのくらいは知っているだろう。


 と、いうことならば、このふたりは、外交上偽名を使ったか、あるいは、『食べられる側』の代表であると思われる。


 しかし、偽名を使うことは、恥だから、まずない。


 最近になって(もっとも、どういう意味で最近かは不明だが。)『食べられる側』に、陰の政府ができているという話は、実はぼくたちにも伝わってきていた。


 ぼくは、躊躇する理由はないから、はっきりと尋ねた。


 『お二人は、『食べられる側』ですか?』


 大統領は、笑顔で答えたのだ。


 『ようく、お分かりですね。その通りす。』


 すると、ふみたいが言った。

 

 『なぜ、『食べられる側』が、わたしたち二人を呼べたのですか?』


 『そこでしね。つまりこれは、『われわれ政府』の、承認の下、行われたのでし。』


 ぼくとふみたいは、顔を見合わせた。


 プリンさんは、ちょっと見たことがないような、不思議な表情をしている。 


           (?_(*‘ω‘ *)?)

  

 

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