第31話 『どこに行くのか?』


 プリン105歳さんは、『ばらくん』が欲しいという。


 実際に、食べ物はさすがに不安であるぞ。


 ぼくは、ばらくんのキーホルダーを買った。


 ふみたいは、ばらくんのボールペンを買った。

  

 支払いは、ぼくがしたのである。


 ふみたいは、代金を現金でぼくに払った。


 300ドリムである。ちょっと、観光地価格だ。



 『まうどお。良いものを買いましたやん。また、何処かでねぇ〰️〰️😢』



 宇宙屋台船は、静かに、宇宙のかなたに消えていった。


 わーぷしたのだろうか。



 『さて、我々は、どこに行くのでありましょうか。』


 ぼくが呟いた。


 『プリン帰りたくない。』


 突然、プリンさんが、そう、言ったのである。


 『まさか、『われわれ』の里に連れてくつもりでは? プリンには、予知能力があるから。』


 『あり得るなあ。しかし、『われわれの里』は、おそらくは、通常空間ではないと思われるから、このままでは行けないだろう。』


 とおりす通ぎる月を眺めながら、ふみたいが答えた。


 『そういうことも、ちゃんと、掴んでる   んだ。』


 『もちろんよ。警察を甘く見ちゃダメだよ。』

 

 『甘くは見てないよ。わけわかんないだけだ。』


 『まあね。』


 しかし、ぼくたちは、月を越えてから、唖然とすることになったのである。


 宇宙が、消えた。


 いや、景色が消えたのだ。


 周囲の全てが消滅したのである。自動車自体は見えているが、背景がまったく無くなった。


 『まるで、切り紙みたいだな。』


 あまり、妥当な表現ではなかったとは、思ったが。


 『プリン、こあい。』


 ふみたいが、プリン105歳を抱き締めた。


 『ぐわ。』


 プリン105歳が、ちょっと呻いた。


 『あ、ごめんなさい。意外にきゃしゃね。』


 『あまり強く握ると、破裂するよ。』


 『わ! 失礼しました。』


 ふみたいがプリンを手放した。


 すると、小さなプリンが、ふみたいに、再度、抱きついたのであった。



        🧸


 

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