第26話 『再会は楽しくないのが普通』 その2


 ぼくたちは、なかなか高級な椅子に座った。


 じょーめは、政治家ではない。


 壁には、写真も偉い人の書、みたいなものも、なにもない。


 だいたい、国旗がない。


 『必要なときは、画面に出すから。』


 じょうめには、ぼくの考えることはお見通しらしい。


 ふみたいもそうだが、確かに、より貫禄があるような感じはするが、ふみたいをつれてきて座らせたら、それなりの貫禄になるのかもしれない。


 ぼくは、場違いだ。


 壁にでかい国旗が現れた。


 『でもね、こうしたディスプレイは、目に悪いのです。お客さまにも、失礼でしょ。普段は出さない。大臣は不服らしいけど、国旗が仕事するわけじゃない。』


 ディスプレイは、また、壁になった。


 『さて、昔話もしたいのですが、時間はないときました。お元気そうで良かったです。』


 『きみも、すごく、出世したみたいで良かった。』


 『ありがとう。必ずしも望んだわけでもないけどね。ところで、あなたは、小さな子供をあずかっているようですね。』


 『ええ。』


 『その人は、食べられる側?』


 『そうですが、あなたは、詳しい?』


 『あははははは。いや、そう聞かれちゃうと、まいったなあ。まあ、わりと詳しいと思う。政府は、彼らの動向に関心があります。といっても、身体に危害を加えたりなんて、思わない。あくまで、平和の維持のためです。この組織にも、食べる側と、食べられる側の、双方の、情報員がいます。誰かもわかっています。しかし、みんなが、平和の維持に協力するならば、べつに害はない。そもそも、彼らの本体は、人類には関係しない。たぶんね。違いますか?』


 『さあ。そこは、わからない。ほんとにね。』


 『たしかに。あの小さな人は、しかし、どうやら、ただ者ではないらしい。それは、山谷くん。しってた?』


 じょうめに、山谷くん。と言われると、ちょっと嬉しい🎵😍🎵


 『それは、なんだろう。ぼくには、分からないよ。』


 『なるほど。』


 じょうめ、は、けなしたばかりのディスプレイを開いた。


 

        💻️

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る