第23話 『再会』
長官とうのは、偉いんだと思う。
ただし、上には、まだ、大長官がいて、さらに、大臣がいる。
長官は、A、B、C、と3人いるんだそうだ。
しかし、いわゆる事務屋ではここでは、これ以上には行けない。
この先は、内務本省に行くことになるらしい。
じょうめは、A長官だそうだ。
ABCは、単なるやっている分野の違いで、落差はないらしい。
しかし、じょうめなら、必ずやまだ登るだろう。
と、思いながら、なぜだか、意外にごたごたとした庁舎の内部を歩き、来客用ではないらしい、専用エレベーターを使って、上階に上がった。
『すでに、任命されている、内部の方ですからね。』
案内役の女性が言う。
『あまり、外部の方に、会わない方が無難ですから。』
なるほど。つまり、スパイ対応かなあ?
ま、そういうのは、どうでもいい。
12階のフロアに着いた。
階下と違い、まるで誰もいない、ガラリとした、不可思議な空間だ。
警備員の姿もない。
しかし、監視しているのは間違いないだろう。
『どぞ。こちらに、ちょっとお待ちください。』
ぼくは、小さな部屋に通された。
長細く、蒲鉾みたいな部屋だ。
ライトは明るい。わが家みたいな保守的な蛍光灯ではない。
飾り気はないが、壁にごく質素な絵画が掛かっていた。
絵画の価値は、ぼくにはよく分からない。
複製ではないとも言えない。
が、たぶん、ここならば実物なのだろう。
OBが趣味で描いたものかもしれない。
ぼやりとしていたら、10分くらい待って、ぼくはスマートな男性に呼ばれた。
ドアから入ると、すぐに、長官の部屋だったらしい。
じょうめが、立って迎えてくれた。
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