第19話 『ネアゲラーの祈り』 その2


 『で。いまは、なぜだか、あのおんぼろアパートの管理人さん。収入は、前の小さな会社の倍くらいある。なぜ? 』


 『なぜ? 良くいいますよ。あのおんぼろアパート。あちこち壊れるから、直さなくては。収入いくらあっても足りないくらいです。』


 『ほう?』


 『なんですか?』


 『だれから、苦情がくるのなか?』


 『いや、それは、だって、直さないと危ないし、ぼくが、住めないからね。水道管壊れてみずもりさ、したら、大変ですからね。』


 危ない、危ない。


 やはり、やなやつだ。


 『ふん。あのね。調べはついてるんだ。』


 きたきたあ!


 その時、またまた、いいタイミングで、プリンが言った。


 『ふみたい!』


 『え?』


 ぼくと、ふみたいが、同時にびっくりした。


 『なんと?』


 『ふみたい!』


 『なんでしょうか?』


 ふみたいが、拍子抜けしたみたいに尋ねた。


 『ふみたい。好き!』


 『え?』


 ぼくらは、また、互いに顔を見合わせたのである。


       😙

 

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