第17話 『秘密組織ネア・ゲラー』


 ふみたいは、緑色のマスクを外した。


 他の仲間らしきは、そのままである。


 『まったく、手間がかかりますね。』


 ふみたいが、文句を言った。


 『おことばですがね、ぼくは、なにもしてない。あなたが勝手にやってきて、さらに、あの連中が、勝手に押し入った。で、また、あなたがたにさらわれた。ぼくが非難される理由がどこにありますか?』


 『もっともだ。』


 ふみたいの、仲間のひとりが言った。


 『我々も、迷惑だ。』


 『まあ、まあ、そうおっしゃらずに。連中のアジトがわかったんだから。すでに、強襲部隊が入っているわ。』


 『さっさと居なくなってますぜ。』


 『まあね。しかし、この度は、こちらのお陰で、多少の成果はあるはず。』


 ブリンは、まだ、袋の中である。


 『出してあげなさい。この、105歳の子供。』


 わ。

 

 それは、不味いのではないか。


 『あなたがたは、ライツ・ボンバー?』


 ぼくは、恐る恐る、時間稼ぎに出た。


 『まさか。やつらは、MIBだよ。我々は、『ネア・ゲラー』でありますよ。』


 『なんだ、それは?』


 『遥かなむかし、『われわれ族』の『食べられる側』が、理想の実現のために作った、正義の秘密組織よ。』


 『なんとおっしゃいますやら。なら、あなたがたは、『食べられる側』?』


 『まあ、その子孫たちです。いまは、地球に根付いているわけ。しかし、理想は捨ててはいない。『ライツ・ボンバー』は、『食べる側』の地球支部みたいなものよ。地球の権力側と結び付いている。ただし、みんなではないわけ。警察内部にも、両方の勢力がある。はっきり、見分けはつかないことも、多いから、行動には慎重を要するわ。つまり、現状、地球には双方のスパイや、エージェントが、多数、入り乱れている訳よ。』


 『じゃ、プリンのことは?』


 『先刻承知。ちょっと、確認に行った訳さ。』


 『はあ。ほんとかいなあ。あやしいなあ。』


 『だって、あなただって、スパイでしょう?』


 『いや、ま、まあ、そうですかねぇ〰️〰️😅』


 『そうよ。どこの組織か知らないけれど、もぐらのように、じっと穴に隠れている。』


 『なんか、あなた、ひっかかる表現しますね。』


 『ほほほほほほほだほ。お互い様。じつは、あなたを見込んで、頼みがある。』

 

 『はい? それより、帰してくださいよ、ぼくらは、静かに暮らしたいだけ。』


 『そうは、ゆかなくなる。まもなく、ここの政府による、『われわれ族』がりがはじまるから。あなたも、危ないよ。政府を甘くみたら、駄目だよ。着々と、技術と情報を積み上げてきたんだから。あたしは、その情報を使っただけだから。』


 『な、な、な、な、な。』


 ぼくは、絶句した。



       ( ; ゜Д゜)






 


 

 

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