第10話 『ふみたい』

 文田瑋さんは、女性警察官である。


 本当になんと読むのかは、分かっていない。


 つまり、妖怪からも、仲間からも、『ふみたい』と、呼ばれている。


 ただし、『ふ、み、た、い、👠』とは、認識されていなかったが。


 ぼくが、たまたま発明してしまったのだ。


 ま、ぼくたち、アウトサイダーには、確認する術がない。


 しかも、ぼくたちは、警察の秘密組織『ライツ・ボンバー』に、狙われている。


 彼らの正体はよくわからない。


 まさに、妖怪退治の専門家集団である。


 しかし、ふみたいが、そのメンバーなのかどうかさえ分からない。


 たぶん、そうだと思われている。


 プリンさんは、しかし、実は、そういうあたりが、まるで分かっていないらしい。まあ、むりもないが。


 105歳にしては、また、『われわれ』でいじめられたにしては、純粋なのだ。


 そのふみたいが、ついに、やってきたのだ。


 分厚いノートを手にして、握ったらくしゃくしゃになりそうな、このアパートを回り始めた。



       💫


  


 

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