第3話 『プリンは妖怪である』
さて、かくゆう、わたしも、『われわれ族』の子孫にあたります。
わが先祖は、ついに、地球から帰れないまま、地球の土となったのだ。
わが祖父は、『われわれ族』議会のあり方を批判したとして、逮捕されて、島流しになった。
先に書いたが、ぼくらは、地球では、『妖怪』にあたるわけだ。『イェティ』だったり、『かっぱ』や、『人魚』、『ネッシー』『座敷わらし』『おに』だったりとかもする。場合によっては、神様にもなるが。
悪いことを意図的にやってはいない。むしろ、助ける方が多いのだ。たまに、地球人類と、意見が合わないことがあるが、それは、偏見が主体になっている。この背景は、人類の親戚なのに、異次元に長く暮らしたため、三次元空間では、いささか多様な見た目になるからである。
つまり、『われわれ族』の、保守性は、ここにもあって、犯罪者の子供は、犯罪者とされる。
社会の不安定要素とされるからだ。
一網打尽、とまでは行かないが、3親等以内は、さっさと捕縛されてしまう。それ以遠も、かなり危ない。このあたりは、議会のトップたち次第である。
こういうのは、独裁者がよく使う手法だが、『われわれ族』は、独裁ではなく、直接民主制である。
ただし、古代ローマみたいに、『食べられる側』には、その参加権がない。
つまり、『食べられる側』からしたら、独裁である。
🍴😋🍚
なにしろ、地球で、『われわれ族』だけで生きるなんて、到底、出来ない相談である。
また、地球人類と交わることは禁じられている。もちろん、『われわれ族』側の決まりだが。
また、仲良くしようにも、地球人類も、なかなか、保守的だ。
だから、必然的に、『われわれ族地球会』ができた。
早い話し、『われわれ族』の中央からしたら、犯罪者集団である。
そんなところに、『プリン』は、来たのであった。
で、プリンは、食いしん坊だが、多感な少女であった。
見た目は、でかい、さくらんぼに、手足がある、みたいである。
多少、よく表現すれば。
ぼくは、行き掛かり上、地球の案内役だった。
というのが、父は、禁を破って、地球人類と密かに結婚したからである。
ぼくは、見た目が地球人類に近かったのである。
地球に来たプリンは、当然に、見学したいと、言い出した。
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