第2話 『プリンは地球に来た』


 プリンの正式名は、『プリン・アラ?モド』である。


 なんとなく、地球名のようだが、これは、そもそも『われわれ族語』なのであった。


 つまり、『なんでそんなことをする? プリンよ。』という、意味である。


 『プリン』は、『われわれ族』の、超高級式典ディナーの名称である。


 でっかい賞の受賞記念パーティーとか、結婚式の豪華な食事、みたいなものだ。


 まあ、ひとりあたり、10万ドリムくらいには、あたるらしい。


 それを、ふたり分、盗み食いしたらしいのであった。確かに、重罪だ。


 あとから、プリンに聞いた話では、たまたま、奉仕的アルバイトに命じられて、行っていたのだという。


 『われわれ族』は、けして、平等な社会ではなく、身分制が色濃く残っているのだという。


 つまり、『食べる側』と、『食べられる側』である。


 『食べられる』側と言っても、実際に食べられるわけではなく、地球で言えば、労働者にあたる。


 文字通り、労働を食べられる訳だ。


 ものすごく、直截な種族である。


 なにかの理由で、宇宙に住んではいるが、それは、自分たちのテクで成したことではないらしいし、あくまで、人類の遠い親戚にあたる。


 だから、似たような風習があっても、さして、おかしくもないのである。


 そんな、プリンが、地球にやってきた。


 地球修正歴2023年の、7月であった。


 

         🥩 🥣

 


 


 

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