『落ち目妖怪 プリン』

やましん(テンパー)

第1話 『落ち目妖怪』

 

 『これは、フィクションです。おとぎ話であり、非科学的です。』




 人類にも、昔にはいくつかの種類があった。


 つまり、現世人類は、ヒトと類人猿を纏めたヒト上科を構成していて、ヒト科ヒト属の中でも現在に生き残っているのは、現世人類一種だけである。


 例えば、16万年くらい前に生きていたらしい、ホモサピエンス・イダルトゥは、たぶん、直接のご先祖みたいであり、現世人類の、亜種とされる。


 一方、4万年前くらいまでは存在していたらしい、ネアンデルタール人は、高い知能を持ち、埋葬などの文化があり、石器を作り火を使い、衣服を作り、航海もしたり、薬草も使っていたりもしたらしい。


 そのDNAは、現世人類にも入り込んでいるという。


 しかしながら、現世人類の先祖ではなくて、別の流れの人類という考えが主流になってきていると聴く。


 けれども、未だに知られていない、人類の系統も、あったのかもしれない。


 なかには、密かに生き残っているが、なんらかの手段で、見つからずに生きているもがいるのかもしれない。


 ときには、妖怪と呼ばれたりする。



    🔥🔥🔥🔥🔥


 

 『われわれ族』は、自分達のことを『落ち目妖怪』と呼んで卑下したりする。


 しかし、実際、卑下する理由などは、ない。


 彼らは、太陽系内の、ごく限られた空間に住んでいるが、なぜそうなったのは、まるで、よくは分かっていない。


 地球人類は、いまや、何でも知っているように振る舞っているが、『われわれ族』が、なぜ、こうして、宇宙に存在しているのかなんて、まったく知らないし、あり得ないと思うだろう。


 というか、地球人類は、『われわれ族』を、みることができない。


 彼らは、非常に小さなブラックホールの中に住んでいて、そこは、現在とは常に違う次元、あるいは、位置にある。


 いつになっても、その存在はわからない。


 しかし、彼らは、ブラックホールの中心から、特殊な宇宙船によりまして、現在側に出る術を持っているらしい。


 そんな計算なりたたないと言われても、わたしは、困るけれども。


 だから、地球の現在に紛れ込むことができるみたいである。


 帰るときにも、やはり、その、ブラックホールに、特殊な宇宙船で接近する。みたいな。


 しかし、地球に来るのは、なにかの、トラブルを起こしたものたちであるという。


 つまり、島流しである。



       🏝️



 さて、プリンは、ある時に、ついつい、仲間のプリンを頂いてしまうという、大罪を犯したのであった。彼らには、普段名前がなく、番号で呼ばれているが、犯罪を犯すと、名前が付くのだという。



       🍮


 

 


  


 

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