第35話 ヤンと栄治
今野栄治の父親がリンランと田代先々々代院長との息子だとすると、今野栄治とヤンは、いとこと言う事になる。
ヤンの父ヂ―ミンは裏社会のドン金田組組長ドユンの娘ジアと結婚して婿養子に入っていた。
一方の、先々々代田代院長とリンランの息子大は今野家と養子縁組してもらい幸せに暮らしていた。そしてリンランの息子大は、大学時代からの知り合いと結婚して栄治が誕生した。
だからヤンと栄治の親同士は異父兄弟と言うことになる。という事はヤンと栄治は、いとこと言うことになる。
なんという運命の巡り合わせなのか、それとも…偶然のいたずらなのか、血の繋がりのある亡くなった田代理事長の妹夫婦の養子になった。
過去の詳しい話は全く知らなかった栄治は、まさか田代総合病院の血を引いているとは、栄治自身も全く知らなかった。
一方の…ヤンは、この田代総合病院の長男隼人と親友で、田代総合病院で田代家の血を引く栄治と一緒に働く事になった。
そして…やがて全てを知り2人が共謀して、医師資格の無い直系の長男隼人を、追い出しにかかるのは至極当然の事。
こうなってくると…話は少し変わって来る。栄治が、ヤンの両親を付け回していたのは確かだが、長谷川夫婦がヤンに期待して栄治をぞんざいに扱うので、問題の両親の悪事を暴き出し期待の星ヤンの鼻を明かしてやりたい。そんな思いだった事は確かだが、福岡ヤマトホ―クスの山田監督宅に電話を入れたのには深い訳があった。
そして…問題なのは、実は、母菜々枝はお嬢様育ちで非常におっとりした女性だったが、父親が心臓と肝臓に障害が有り先々々代の院長が息子可愛いさに臓器移植を行っていたのだが、創設者の院長は、まだあの時代臓器移植は成功例が非常に少なかった。
ましてや、経験の浅い院長が息子可愛いさに、見境なく誰の臓器なのか分からず闇組織から臓器提供してもらっていた。だから…成功するまで何回も行われていたらしい。誰の臓器か分かったものではない。
臓器は提供者に似てくると言われている。菜々枝は一見おしとやかなおっとりしたお嬢様に映るが、恐ろしい裏の顔が有った。
「嗚呼…ああ…アア…アアアア人を殺したい!嗚呼我慢出来ない!」
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