二話 小田原評定

四半時(三十分)後

氏直「皆に集まってもらったのは言うまでもない。秀吉との戦の話だ」

ガヤガヤ

氏邦「静まれ!殿が話される」

氏直「皆の者聞いてくれ すでに策は考えてある!」

?「その策とは?」

…この温厚そうな爺さんが松田憲秀。我が北条氏の宿老の一人だ。こやつが家臣の信頼を集めている。こやつさえこっちの策に賛同させれば…

氏直「ああ。秀吉に野外決戦を挑む。箱根口と松井田口にそれぞれ五万送る。そこで、豊臣軍を破り、和平に持っていく。」

ガヤガヤ

氏邦「静まれと言っておろうが!」

憲秀「しかしそれでは、早雲庵(伊勢宗瑞)様以来の関東制覇の夢を諦めることとなりますが」

氏直「氏規叔父上から聞いたが、秀吉家臣は、対立派閥がある。小西行長率いる文治派と加藤清正率いる武断派でな」

氏照「成程!秀吉が死ねば…」

氏直「ああ、対立が起こる。それを見逃す我らでは無い。」

憲秀「それなら籠城策でも良いのでは?」

氏直「いいや、豊臣軍は金の力がある。兵糧など無限にあろう。」

氏邦「如何に我らといえども、士気が下がろう。ならば、士気の高いうちに戦を決める」

憲秀「それほど殿がいうなら分かりました。殿、我ら北条家臣団、一丸となって戦いましょうぞ」

オー

かくして、北条方の方針は決まり、各々の城で戦の準備をするのだった。


氏邦side


1590年三月

氏規「急ぎ兄上達に知らせなければ」

北条氏規は走っていた。この大事を伝えることを。

氏規「ウッ」

ドサッ

?「すまぬが、氏規。お前を向かわせるわけにはいかぬ]

氏規「家康!」

そこに立っていて、氏規を見下ろしていたのは幼馴染の徳川家康であった。





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