関東大戦
一話 氏邦の悩み
天正18年(1590年)1月 小田原
北条氏直配下の北条氏邦は思案していた。
…まもなく本格的に豊臣軍がくる。
それに対策をせねばならぬ。
しかし、どのようにすればいいのであろうか?
?「おう氏邦!何考えてるんだ?」
氏邦「名胡桃城をとったことで、秀吉は北条を攻めるはず。それに対策をせねばと考えておってな」
こやつは北条氏照。我が兄である。
氏照「そうかそうか。して、思案はまとまったかの?」
氏邦「いえ。氏規の知らせによると豊臣軍は二十万に及ぶとのこと」
氏照「二十万か、…」
?「叔父上たちでは無いですか。いかがしましたか?」
氏邦・氏照「御屋形様!」
氏直「そのように畏まらんでも良いでは無いか」
この方は北条氏直様。我らの兄、氏政の子で、我らの甥にあたる方。北条家現当主である。
氏照「そのようにはまいりませぬ」
氏邦「いくら兄上の子だとしても、北条家当主に無礼をするべきには行きませぬゆえ」
氏直「して、何を話しておられたのでしょう?」
氏邦「豊臣軍への対策にございまする」
氏直「成程。何か策は纏まりましたか?」
氏邦「ええ。小田原城への籠城策を考えておりましたが、それでは兵糧攻めに会いましょう。それで耐えれたとしても、士気は徐々に下がっていくはずされば出撃し、痛いものを見せた上で、和平を探るというのが良いのではありませぬか?」
氏直「しかしそれでは、関東制覇を目標にした我らの野望は止まってしまい、家臣たちの統率もとりにくくなりますがそこはいかがなされるので?」
氏邦「今、そこを考えております。松田憲秀、大道寺政繁。ここら辺を抑えれば従うでしょうが…」
氏直「あの二人がそれに応じるとは思えぬ」
氏邦・氏直「は〜」
氏直「氏邦叔父上、部屋にて戦略を考えましょう」
氏邦「ええ」
氏照「あれ?俺おいてかれてる?」
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