八(1)
「みんな~こんヤクモー!」
コメント
■きちゃ‼
■こんヤクモ~
■こんヤクモ~
あたしは今日も今日とてVtuberヤクモとして、動画配信に精を出す。一応企業に所属していて新型ゲームの宣伝のためにクローズドβのテストプレイヤーとして推薦されるくらいには有名である。ちなみに、あたしは学生ではあるが親公認でVtuberをやっている。と、いうか私がVtuberをやりたいといったときは、お父さんもお姉ちゃんもかなり乗り気で何ならお父さんは動画編集とかもしてくれるなんて言い出した。お姉ちゃんに至っては、なんとあたしが今所属している【カラフルスタジオ】の社長だという。最初は冗談だと思っていたが、オーディションの審査員の所長が座る席にあた信の姉がいたのを見たときは目を疑った。
ただ、勘違いしてほしくないことがある。オーディションに合格したのも有名になれたのもあくまで私の実力なのだ。お姉ちゃんはあたしに甘いが依怙贔屓するような人じゃない、むしろ厳しい。そんな姉の御眼鏡にかなった私は元気にVtuberをやっている。
「今日は、出雲大社で素材収集をしていこうと思いまーす……。」
「……。」
今日は、あたしの使っている【
ちなみに、生配信中に人が映ってまずい!というのが三割、超好みのタイプが来た!というのが七割。あたしは、ロリとショタが大好きである。キング君はかなりストライクゾーンに入っているのだが。
そして、今やってきた子はさらにドストライクなのだ。
コメント
■えっ!だれ!
■たしか、今はほぼ貸し切りなんじゃ……
■というか、あれって男?女?
■男の娘じゃね?
■マジ⁉
やばい、コメントがちょっと怪しい感じになってる……。
「よう、ヤクモ奇遇だな……て、もしかして配信中か?悪い邪魔したな……皆さん初めまして、ヤクモの兄ドールです。」
あたしがフリーズしているとドストライクな男の娘はそんなことを言った。一瞬どういうことかと思ったが、よく考えれば生配信中に知らない人が来たら怪しまれて当たり前だ。
だから身内という設定にしたのだろう。でもね……なんで、そっちが兄なの?いや別にいいんだけど……。なんで私が妹なの?納得いかないんだけど……。
コメント
■え!ヤクモちゃんの兄貴⁉
■ちっさ‼
■いや、普通に失礼だな……
■このゲーム的に見た目と中身の年齢が一緒だとは言えないと思うんだけど
■確かに!
あ、コメントがおとなしくなってる……仕方ない、乗るか!
「?……!もう、何やってるのお兄ちゃんいくら興味ないからって、配信者やってる妹の予定知らないのはどうかと思うよ?」
と、返してみれば、そこからいい感じに兄妹らしい会話に広げることができた。
その中で、
「そういば、あいつから聞いた次の弟子候補ってお前か?」
と、いうものがあった。最初は弟子?何のこと?と思ったがそういえば、三日前にキング君から自分の【OS】を当てえる弟子を探しているって言ってたっけ。
あ!そうだった。今日はその、師匠になる人との待ち合わせだったんだ。し、しょうがな、何とかごまかすか……。
「?ああ、キング君だね?大丈夫だよ何回か一緒に配信に出てもらってて結構付き合いもあるし。」
コメント
■え!【OS】⁈
■マジで?てことは、世界で初めて【OS】創ったドール?
■あのセームネーム⁈
■これ見てたらワンチャン俺らも【OS】使えるようになんじゃね?
■いや、本人からの許可がないと、覚え方をわかっても使えるようにはならないぞ
■やめたれ、夢を壊すようなことを言うのは……
■(´・ω・`)
おお、コメントがいい感じに盛り上がってる。
視聴者さんには悪いけど、もう少し話させてもらおうかな……面白そうだし。
「それで、弟子のことだったよね?うん!あたしで合ってるよ。名前は聞かなかったから誰が来るのかわからなかったけど、まさかお兄ちゃんだっとは思わなかったよ。」
「そうか?結構掲示板でも噂になってるって聞いたんだがな……。」
コメント
■やっぱ、セームネームじゃねえかよ……
■やば、ヤクモちゃんの身内ってあんま話に出なかったけど……あの、ドールの妹だったのか……
■どうりでつよいわけだ……
「あたしはあんま見ないからね、配信者やってるけど……。」
「そうなのか、じゃあ今度のぞいてみろよ。わざわざ書き込まなくても見るだけでも結構面白いぞ?」
「そうなんだ、じゃあ時間があるときにでも見てみようかな……て、すごい脱線しちゃった。OSのこと配信が終わった後にでも……。」
「え?別に今でもいいぞ?何なら恐ろしく地味だが、修行風景とかも撮ってもらって構わないが……。」
「いいの⁉」
ドール君からのまさかの提案に驚いき、コメント欄も沸いた。
「おう、別にいいぞ?というか弟子には、【仙術】俺のOSなこれを独自の流派に発展させてもらってそれを広めてもらう予定だし……。」
「じゃあ、あたし流のせんじゅつ?とか作っていいの?」
「ああ、まその前に基礎を身に着けてもらうが、というかその前に軽く試験をするつもりだ。」
へ、しけn⁉……!
急に、ドール君の雰囲気が変わった。反射的に私も構えてしまったが、そうするとさらにドール君の気配が鋭くなった。まるで、鋭利な刃物を首筋に突き付けられたような感覚だ。
しばらくすると、ドール君が私の杖が気になったのか、名前を聞いてきたので質問に答える、あたしもあの、見るからに人を殺る道具ですっていう感じの金棒が気になってしまったので、聞き返してみるとなんとドール君が持っている無骨な金棒は武器のカテゴリーとしてはあたしの【八星槍杖】と同じ長杖に属するらしい。完全にメイスとかに入る武器でしょ……。
「よし、じゃあ始めるぞ。」
と、試験が始まった直前近くで化け物の方向が聞こえた。
コメント
■え⁈なになに?今の叫び声……
■知らん!何か知ってる奴いるか?
■いや、皆目見当も……
どうやら、視聴者さん達も何が起こったかわからないらしい。叫び声がしたであろう方向を見てみると、とてつもない威圧感を放つデカい青鬼がいた。あたしのヤタノカラス……ドール君にクロムって名付けられたからあたしもクロムって呼ぶかな……クロムが相手の存在を教えてくれたけど、エリアボス?名にその名前からしてやばそうなの……。なんかドール君は倒したことあるっぽいけど……。聞いた感じめちゃくちゃやばいらしい……ドール君は大丈夫って言ってたけど……え、マジで勝てる?のあれ。て、思っちゃった。
そうして、エリアボス
コメント
■うお!なんだ、あの動き⁉
■人間業じゃね……
■何あれ?チート使ってるの?
■いや、チートを使ってる気配はないな……ちなみに俺はプログラム関連にはめっぽう強いぞ?
■初めて、リアルにめっぽうって言葉使うやつ見た……
■つか、チート使ってないのが事実なら、あいつリアルでもあれくらいの動きができるってことか?
■いや、身体能力的に難しいだろう、だがあの身体操作技術は並外れているな……
■やばすぎんだろ……
うわー……コメントがめちゃくちゃ加速してるぅ……というか同接者が歴代最高なんだけど……。
「…………ヤクモ!時間稼ぎ頼んだ。」
「ええ!わ、わかった。」
突然飛んできた指示に驚くも、何とか指示通り時間を稼ぐ。
……にしても、なに?あの青鬼の表情、めちゃくちゃむかつくんだけど。
「…………みつけた……【仙技:仙鬼動震】!」
「ふぎゃ!」
え、何今の地面がめちゃくちゃ揺れたんですけど……もしかして今のが【仙術】?うそでしょ?ドール君の弟子になるとあんなことができるようになるの⁈
ていうかめちゃくちゃ恥ずかしい声出ちゃった……。
コメント
■どうした急に
■カメラ自体、ヤタノカラスが持って浮いてるからわからないけど、ドールが地面ぶん殴ったときに超小規模で地震みたいな感じになったんじゃないか。
■いや、おかしいだろたった一人で小規模地震起こすって、もう人間じゃねえだろ!
■【AW】のプレイヤーな時点で人間ではないような気がするが……
■いやいやいや!それよりもマジで噂通り姿が変わったぞ!
■どうなってんだ?あれも仙術なのか?
うわ!本当だ、姿が変わってる…顔怖……。
その後、あっさりエリアボスを倒して、【闘気】【瞬動】【縮地】の【仙術】の基本の三つと+αを習う。条最後に、私の流派の【八雲流仙術:曲解】を創りアカシックレコードに登録する。今後、配信であたしの流派なら【仙術】を広めてもいいかと聞いてみたら、結構軽く了承を得られたので八雲流の術の数を増やしたら、動画配信で八雲流のプレイヤーを増やしていくことになった。
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今後、八雲流が最も多くのプレイヤーが使う流派で最も少ないのが社流になります
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