第九話 弟子探し 八星の妖猫(前編)
はい、やってまいりました!第三回弟子探し。今回の相手は怪異族空間操作にたけた種族だね。ちなみに、ヤシロは個別報告のために、運営本部のヤタノカラス専用のサーバーにいるので今回は俺一人だけです。
プレイヤーネームはヤクモ。島根の出雲大社にて待ってもらってる。
ただ、キング曰くそのヤクモにあうときは、細心の注意を払った方がいいらしい。切れやすいやつなのか?と、思いヤシロの細かい座標計算がないため【仙技:
「ふ~‥‥‥やっと着いた。」
と、呟いてしまうほどに、長い道のりだった‥‥‥そういえば、ヤクモってどっかで聞いたことがある気がするなと思い、出雲大社に足を踏み入れた。
「みんな~こんヤクモー!今日は、出雲大社で素材収集をしていこうと思いまーす‥‥‥。」
「‥‥‥。」
すると、元気のいい少女の声が聞こえ、その少女と目が合ってしまった。たぶん彼女がヤクモなのだろう。
そして、ヤクモのサポートAIのヤタノカラスが近くに浮遊しており、その首元には目のようなマークがついた球体をぶら下げていた。確かあれは、クローズドβのプレイヤーのヤタノカラスについている映像記録をとったりライブ配信をするためのカメラみたいなものだったか?
さらに、さっきのヤクモの言動から考えると……やべ、これ多分配信中にうっかり紛れ込んじゃったパターンだわ……。どうする、取れる行動はつ
①身内のふりをする
適当に兄やら弟やらのふりをする。ヤクモ自身も家族構成については明言していないのでワンチャンある。バレそうなときもごまかそうと思えばごまかせるはず。
②女友達のふりをする
俺のアストラルボディーがかなり中性的で声をいじれば女に見えないこともないので、これもワンチャンある…が、バレた後が面倒くさい。
③素知らぬ顔でエネミー狩りをする
配信終了まで待たなきゃいけないが、それならどこか自然なタイミングで出雲大社から出ればいいだけの話だが……すれ違いになると面倒くさい。
④たまたま通りかかったファンのふりをする。
消去法でこれが一番トラブルにならないだろうが、周りを見た感じ貸し切りにしてあるっぽい。何も知らなかった風を装ってもファンならブログなんかを確認している方が普通となると、ストーカー判定される可能性が高い。
さあ、どうするか……。
「……あー…えーっと……。」
「……。」
やばい、めちゃくちゃ気まずい。こういうのは長引くほど選択肢がどんどん小さくなっていく……。
……ええい!ままよ!
こういう時は一番最初に思い浮かんだ案を使えやいいんだよ!
「よう、ヤクモ奇遇だな……て、もしかして配信中か?悪い邪魔したな……皆さん初めまして、ヤクモの兄ドールです。」
「?……!もう、何やってるのお兄ちゃんいくら興味ないからって、配信者やってる妹の予定知らないのはどうかと思うよ?」
お、なかなか察しがいいぽいな、このまま兄妹設定を続ければどうにかなるだろう。それなりに兄妹っぽい会話をしながら。OSの話に持ち掛ける。
「そういば、あいつから聞いた次の弟子候補ってお前か?」
「?ああ、キング君だね?大丈夫だよ何回か一緒に配信に出てもらってて結構付き合いもあるし。」
一応名前は出さなかったが大丈夫みたいだな。
「それで、弟子のことだったよね?うん!あたしで合ってるよ。名前は聞かなかったから誰が来るのかわからなかったけど、まさかお兄ちゃんだっとは思わなかったよ。」
「そうか?結構掲示板でも噂になってるって聞いたんだがな……。」
「あたしはあんま見ないからね、配信者やってるけど……。」
「そうなのか、じゃあ今度のぞいてみろよ。わざわざ書き込まなくても見るだけでも結構面白いぞ?」
「そうなんだ、じゃあ時間があるときにでも見てみようかな……て、すごい脱線しちゃった。OSのこと配信が終わった後にでも……。」
「え?別に今でもいいぞ?何なら恐ろしく地味だが、修行風景とかも撮ってもらって構わないが……。」
「いいの⁉」
「おう、別にいいぞ?というか弟子には、【仙術】俺のOSなこれを独自の流派に発展させてもらってそれを広めてもらう予定だし……。」
「じゃあ、あたし流のせんじゅつ?とか作っていいの?」
「ああ、まその前に基礎を身に着けてもらうが、というかその前に軽く試験をするつもりだ。」
「そうなの⁉」
「まあ、合否とかはないから気楽にやってくれよ。」
「うん!」
元気で大変よろしい。
「じゃあ……始めるぞ。」
「!……。」
俺が、
なぜなら、八芒星の下部分に鎖がついておりその先端に苦無のような刃が取り付けられている。そして、八芒星のさらに先端にはかなり大きめな槍のような刃がついているという、かなり殺意マシマシな見た目で杖ってより槍っぽい見た目をしている。
「すげぇな、その杖何て名前だ?」
「
まさかの見たまんま。
「仙鬼長杖:貪炎。ボスドロップで、こう見えて武器の種類としては杖に属してるぞ。」
「え⁈棍棒とか金棒みたいな見た目して?」
「おう、一応術を使う媒介にもなるぞ。」
「え~……。」
「ま、まあさっそく始めるぞ。」
「う、うん。」
こうして、ちょっと微妙な空気になりつつも試験が始まる。
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今回のお弟子さんは怪異族の女の子、ヤクモです。さあ、どんな戦い方をするのでしょうか。
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