弟子探し バーサクワルキューレ(後編)
「ふぎゃ!‥‥‥。」
「よし、テストはこれで終了だ。と、いううわけで仙術を覚えてもらう。」
「い、いきなり‥‥‥。」
「俺に付き合っていくうえでいきなりはいつものことになるぞ?」
「つ、付き合う‥‥‥。」
なんか赤面した、理由はまあ察するがいつも思う、こういう奴はリアルでもたまに見るが何をどうすれば言葉の意味を脳内変換できるのだろうか、と。
「ほら、早く立て。」
「ひゃ、ひゃい!」
「おっし、テンポよく行くぞ。まず、魔力の操作はできるか?」
「魔力の操作?」
「魂氣を体の外に放出して動かしたり、逆に体の中で動かすことだな。お前の場合魂氣は魔力だから魂氣操作というよりわかりやすく魔力操作だな。」
「なるほど‥‥‥はい!できます!」
「ん、そしたらその魔力を粘土みたいに体の内側で練ってみろ。」
「ね、粘土ぉ?‥‥‥。」
数時間響華が瞑想している間、ヤシロに紅茶もどきを用意してもらい俺は簡単な茶菓子とキングからもらった簡易テーブルと椅子を用意しお茶御始める。的を用意して俺は小さくした【螺旋槍術】の各種属性を持った小型の槍もとい矢の【
「結構上手いな。」
〔ありがとうございます。【黒光】は風の影響を受けないようなので楽にあてられるのかもしれませんね。〕
ヤシロがそう言ったので俺も使ってみたが確かに風の影響は受けないが照準がめちゃくちゃ難しい指先から黒い光を発射するのだがそれが理由なのか光は指先から、完全な直線上にしか飛ばないようで、中心から数ミクロでもずれると外れる。【黒光】は俺も撃ちだすことはできたが、指先を完全静止させることはできないがAIで身体がロボットみたいなものなヤシロは手先がぶれるということは絶対にない、つまりは照準が絶対にずれずなおかつ風の影響を受けないビームが撃つことができる。そのビームも長さや太さなどが自由自在に変更でき精密射撃も可能‥‥‥うん、凶悪だね。
「‥‥‥あのーー‥‥‥。」
ここまで暗殺に向いた奴がいるとは‥‥‥。
「すみませーん‥‥‥。」
人間の俺にはできない芸当だな。
「あ、あれぇ‥‥‥?無視されてるぅ‥‥‥。」
聴覚による環境完全把握の俺と、絶対にブレない身体のヤシロ。なかなかいい射撃勝負御繰り広げていた。
「‥‥‥。」
結果としては中距離地点からの連続射撃ならヤシロに、遠距離での精密射撃なら螺旋矢術の操作性高さで俺に軍配が上がった。
「‥‥‥‥‥。」
「ふう、適当にやってみたけど結構楽しかったな!」
〔‥‥‥そうですね。この結果で
「‥‥‥うう…ふっぐっ!‥‥‥ひくっ‥‥‥。」
〔マスター‥‥‥さすがにかまってあげましょうよ‥‥‥。〕
「うん?なにが?」
〔いや、響華さん泣きそう‥‥‥といううかもう泣いてますよ。〕
「‥‥‥。」
うん、流石にやりすぎたかな?と、振り向くと、足をそろえて崩れ落ちてしくしくと泣いているいる響華の姿がそこにあった。
どうやら、物理的な攻撃には強いが、放置などの精神的なダメージには弱いようだ。
「あー‥‥‥すまん。」
「‥‥‥。」
「まあ、【闘気】は習得できたか?」
「はい‥‥‥。」
「じゃあ、それを体ん中で動かして足にためてみ?」
「‥‥‥。」
「んでそれを一気にぶっ放す。」
「‥‥‥うわ⁉っとと…。」
おお、流石直接戦闘特化種族。瞬動の急加速に何とか対応しているさすがの反射神経だな。
「おめでとう、これで【仙術:瞬動】を習得できたな。速度の制御なんかはよう練習だがな。次は縮地だ。」
「はい!」
なんか、テンションが戻ってる。
「これはかなり難しいが、まあがんばれよ。目指す地点は清水寺でいいかな」
「えーっと、どうやるんですかね?」
と、聞かれたので、キングにしたのと同じような説明をする。
数十分待つと響華の姿が突然掻き消えた。
「おお!キングよりも早く【仙術:縮地】使ったぞ。」
〔そうですね、彼女はキングよりも空間計算能力が高いのでしょう。〕
「あいつ悪魔なのに?」
〔 そうですね、空間操作系の能力に特化しているのは怪異族のはずなのですが‥‥‥。〕
これは、弟子探しの途中に姿を変えながらボス狩りをしているとき知ったことなんだが各種族はそれぞれの魂氣が使えるわけではなく、その魂氣の使用に適した肉体になるようで、悪魔族は攻撃に特化した術式の高い火力の反動に耐えることができる強靭な肉体と高い運動神経、幻獣族は後方支援のために発達した五感能力と悪魔ほどではないがそれを補助するための高い身体能力、妖精族は精密作業のための細長い指とものを固定するための握力と腕力。
そして、怪異族は空間把握と計算のための脳とは別に存在する演算回路。響華は悪魔族で強靭な肉体はあれど、怪異族のような特殊な演算回路は持っていない。
「てことは、持ち前の計算能力ってことか‥‥‥。」
俺でも、怪異族になるかヤシロの補助がないと出来ないってのに‥‥‥。
「生まれる種族を完全に生まれる種族を間違えてるな。」
〔ですね‥‥‥行かなくてよろしいのでしょうか?〕
「‥‥‥あ。」
やべ、わすれた。
「うぐっ‥‥‥ひっく!…ぐず‥‥‥。」
急いで清水寺に行くと、またしくしくと泣いていた。
‥‥‥あのメンタルの弱さ、なんか親近感がわくな。
「あはは‥‥‥。」
「何で笑ってるんです⁉」
〔マスター‥‥‥親近感を抱いてないで泣き止ませてくださいよ。〕
「えー、めんどい。」
〔口に出ていますよ。〕
「‥‥‥。」
〔ほら、こっちを見ていますよ‥‥‥目をそらさないでください、何で明後日の方向を見ているんですか。〕
いや、だって‥‥‥ものすごいハイライトが消えて瞳孔が開いた目をこちらに向けてるんだよ?普通に怖えよ、瞳孔開くのは俺もできるけど、目のハイライトを消すあれ、どうやってんだよ‥‥‥。
「‥‥‥‥‥‥。」
〔こっちに来てますよ。ほら、ちゃんと前を向く。〕
えー噓ぉ嫌だなぁ‥‥‥。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」
〔ちょっと、嫌そうな顔しない‥‥‥て、なんかとびかかってきてますよ。〕
「‥‥‥はい?」
え?とびかかって‥‥‥。
「ドーーーーーールしゃまぁーーーーーー‼」
「うお!」
まじでとびかかってきた!ついでに奇声も上げてるし‥‥‥。
「遅いです!わざとにしてもひどすぎます!」
「すまん、わざとだ。」
「わざと⁉今わざとって言った!これは責任をもって結婚を前提にお付き合いしてもらいます!ついでに既成事実も作りましょう!」
「おい、まて淫乱ピンク。何支離滅裂なこと言ってくれてんだよ。」
「お尻!ドール様はお尻は何ですね?ご安心下さい私はマテリアルボディーでもそれなりにスタイルに自信はありますy、あん♡!」
あ、つい反射的に殴っちゃった。
まずい‥‥‥
「‥‥‥。」
「はぁ‥‥‥はあぁん…流石ドールさm‥‥‥すみませんごめんなさい。」
おや?俺はただ黙ってみていただけだがそんなに怖い顔でもしていただろうか?
〔マスター、その筋の人が裸足で逃げるような顔はやめてください、流石に怖いです。〕
ドキ!え、マジ?それなりに顔が引きつっていたとは思うけど、そんな顔してた?
‥‥‥まずいな前やって趣味の癖がまだ抜けてなかったらしい‥‥‥直さないとな。
さすがにあれがばれるのはまずいな‥‥‥。
「まあ、いい。そんで淫乱ピンク。」
「あ、あのぅ‥‥‥その不名誉なあだ名はちょっと‥‥‥。」
「‥‥‥。」
「すみません私は淫乱ピンクです。」
「よし、まあ、とりあえず最初言った通りオリジナルの仙術を‥‥‥」
「あ、それはもうできてます。時間はありましたから‥‥‥。」
「ごめん。」
「いえ、いいですよそれじゃあ【響華流仙術:
と、いつの間にか装備していたハルバードを勢いよく地面に打ち付ける。
すると、打ち付けた位置が崩壊しその範囲がだんだんと広がって響華を中心に地面が崩壊した。
なるほど、仙鬼柔弾同じ系統の技っぽいな‥‥‥。
「ふんふん、なるほどなるほど‥‥‥浸食の顎、字ずら的に属性かなんかにじわじわと浸食させる効果を付与するみたいな術か?万象響振の高速振動をハルバードの刃に発動高周波ブレード‥‥‥というより要領は
「‥‥‥。」
〔‥‥‥。〕
「?どうした?」
考察を終えると二人して唖然としていた。
「何で、そんな簡単に技の詳細を解析できるんですか⁈」
「何でって、そりゃあ万象響振自体は俺が生み出した術だし、いくらお前流だからって源流を生み出したのは俺だぞ?それに俺も似たような技も使えるしな。」
〔何でAIの私よりも早く結論を出せるんですかね?‥‥‥。〕
「そこはまあ、あれだ生まれ持った才能‥‥‥的な?」
「〔そうですか‥‥‥。〕」
それにこの技、俺とかなり相性が悪い。浸食響撃は空気や刃を高速振動させる都合上かなりの高音が発生する超音波でもなんでもキャッチしちゃう俺はこれを近づけられただけで耳が使えなくなる、実は天眼を習得したとはいえ、基本的な情報は目よりも耳で行う方が多いんだよねえ。
「ああ、あとキングからデカい拠点をプレゼントされるだろうから素直に受け取っとけよ。」
「?はい‥‥‥?」
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今回弟子になったのは悪魔族ですちなみにこの人は掲示板回にいたドール様の女さんです。
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