第六話 【ホムンクルス】製作日記・前編

 βテスト二日目で人体錬成のようなことをしだした次の日、朝起きていつも通り家事を一通りこなしてから。二体目の【ホムンクルス】製作に取り掛かった。

 とりあえずは、俺と同じくらいの体格の女形の【ホムンクルス】を作ることにした。

 身長は、以前の球体関節人形と同じで一五〇センチ。前はマネキンのような見た目だったが今回は外国の高級人形のようなイメージで作っている。


「あれ?リ〇ちゃん人形?」


 人形が完成するとそこにあったのは全長一五〇センチの金髪美少女人形なのだが、見た目が完全に〇カちゃん人形だった。なぜこうなったのか考察して思い至ったのが、人型の人形といえばリ〇ちゃん人形と俺が無意識に固定化したからこうなったのだ。


「うーん‥‥‥これじゃあ人形っぽ過ぎて動いた時に逆に不気味になるだろうな‥‥‥。【インベントリ】!」


関節なんかはともかくせめて顔だけでもまずは人間に近づけたい。とりあえず【万物創生】俺の趣味全開のゴスロリドレスを着せて【インベントリ】に【ホムンクルス初号機リ〇ちゃん人形】を放り込む


〔マスター、何をしているのですか?〕

「ん?ああ、ちょっと人形作れねえかなぁって試したら割とすんなりできてな、やってみたら結構面白いし、完成度を上げるためにどんどん増やしていこうと思っているだよ。」

〔そうですか、頑張ってくださいね。〕

「おう!」


 ヤシロ先生には本当のことはまだ伝えないでおこう、サプライズは大事だからな!

 ちなみに初号機とつけたのに深い意味はない。ないったらないのだ。

 昼食をとり、軽く運動とストレッチをしたら、【ホムンクルス二号機】の製作だ。

 今度は、全長を一七〇センチほどの大人の女性の人形だ。モデルは義姉ちゃん。完成品は、実際の人間をモデルにしただけありかなり人間に近い表情になったがまだ作りものっぽさが抜けきらない。これはこれでなかないいが、そもそもモデルが身内なため、これにヤシロ先生を入れるのは若干抵抗がある。

 【万物創生】で作った服、今度は背中たスカートに大きなスリットが入った赤いドレスを着せて【インベントリ】しまう。

 この作業が終わるころには夜になっていたので晩飯を作り風呂に入ってすぐに寝た。

 翌日。

 【ホムンクルス】製作二日目今度は男型の物を作ってみることにした。今回はモデルをネットの写真で調べた人気俳優をモデルに作ってみることにした。

 完成したのは、細身の長髪イケメンだ。全長は一八〇ほどにして足を長くした。結構いい感じだが、ヤシロ先生の口調や声の高さ的に少し気持ち悪くなるだろう。服はスキニージーンズとカッターシャツを着せて【インベントリ】に投入!

 やっぱり作るのは女方かな?一応趣味として男型なんかもバンバン作っていこうと思うが‥‥‥。

 午後は、アニメのキャラをアプリで実写化させたものをモデルにする。

 モデルにするキャラクターは最近は待った漫画のヒロインだ。黒髪ロングの前髪ぱっつんで清楚な大和撫子な感じだ。全長は一六〇くらいにしてある。服は黒色ベースの赤い花の刺繍が入った着物をあずき色の帯で締めている。これも【インベントリ】以下略。

 そんな感じで、一日に何体者【ホムンクルス】を作り続け一週間がたった。【ホムンクルス六〇号機】を作り終得た。


「出来栄えはかなり良くなったな。人形作りはこれくらいにして今日は食材探しにでも行くかな‥‥‥ヤシロ先生、食材アイテムの入手方法を教えてくれ。」

〔はい、食材だけなく基本的に素材になるアイテムはすべてエネミーからドロップします。この前倒した【ダッシュバードの肉】なども食材アイテムです。〕


え⁈【ダッシュバードの肉】?本当だあった。

 試しに、【インベントリ】を確かめてみると確かに【ダッシュバードの肉】あった。いつの間に‥‥‥。

 じゃあ、食材に関してはとりあえずこれでいいとして、今度はそうさだな。一応すべての【ホムンクルス】ヤタノカラスが乗り込める程度の空間を作ってありそこに入ることで、【ホムンクルス】を送受できるようにしてあるんだが‥‥‥。

 よし、試すか。


「ヤシロ先生。ちょっと見てみたいものがあるんだけど、いいか?」

〔はい、構いませんが‥‥‥見てほしいものとはいったい?〕

「ふふふ、見てほしいものはなこれだぁ!」


 と、【インベントリ】から今まで作ってきた計六〇体の【ホムンクルス】見せる。


〔これは‥‥‥マスターが以前から作っていた‥‥‥。〕

「そう!こいつらの総称は【ホムンクルス】俺が神通力で作った人形でなんとAIを搭載させることができる!」

〔?AIを搭載できるということは‥‥‥まさか!〕

「そう、ヤシロ先生たちみたいなヤタノカラスなんかもこれにはいることができてじゆうにうごかすことができるのだ!」

〔ちょっ、え?ちょっと‥‥‥え?〕


 あまりの衝撃にかなり混乱しているようだ。


「と、言うことでプレゼントだ。どれか好きなのを選んでくれ。」

〔‥‥‥は、はい!〕


 ヤシロ先生は嬉しそうに、自分が宿る【ホムンクルス】を選び始めた。

数一〇分後ヤシロ先生は選んだ【ホムンクルス】を俺に見せた。


「これは‥‥‥三五号機秘書型だな。」

〔はい!やはりサポートといえば秘書ですから!〕


 ヤシロ先生が選んだ【ホムンクルス三五号機】は服装はパンツスーツで同性にもてるタイプのイケメン美人秘書だ。


「じゃあ、中に入ってみてくれ。」

〔はい。〕


 三五号機の背面パーツを開けヤシロ先生に中に張ってもらう。すると、無表情なカをがわずかに動き瞬きを始める


「どうだちゃんと聞こえるか?」

〔はい、音声認識に特に影響はありません感度良好です。〕


と、人形の口が動き俺の質問に答えるうん、口の動きも問題ないし音も聞こえるみたいだな。


「じゃあ、今度は立ち上がってみてくれ。」

〔はい‥‥‥。〕


 少し動きずらそうにしながら、ヤシロは座った状態から立ち上がる。


〔‥‥‥はい、少し動きずらいですが問題ありません慣らしていけば問題ありません。〕

「ああ、調子が悪くなったりしたら行ってくれいつでも調整する。それじゃあ歩いてみてくれ。」

〔はい。〕


 ヤシロは、両手でバランスをとるような格好をしながら一歩前へ踏み出し、もう一歩前へ踏み出す。少しづつ歩き方が安定してゆき普通に歩えるようにはなった。歩行も問題ない様だ。


「うん、いい感じだな。じゃあちょっと背中触ってみるから何感覚があれば言ってくれ。」

〔‥‥‥そうですね…少しだけ、触られている感覚はありますが‥‥‥何となく、というくらいですね。〕

「触覚機能は若干鈍目‥‥‥と、触覚機能は上げるか?」

〔はい、少しだけ上げていただけるといいですかね‥‥‥。〕

「ああ、わかった。」


 俺は、【ホムンクルス三五号機】の設定を少しいじり。


「‥‥‥よし、どうだ?」


 もう一度背中を触ってみる。


〔はい、良い感じですね。〕

「それはよかった。今後、匂いの感知機能をつけて嗅覚を再現、糖度計と塩分計、そして触覚再現にも使われた温度計のプログラムを応用して味覚を再現するつもりだ。アストラルボディーを似せて作ったから物食ったら欠損した部位の修復のためのエネルギーに変換させ、それをデータに変換する機能も再現してある。」

〔!〕

「前に俺が飯食ってるところ、羨ましそうに見てただろ?だから、ゲームでくらい美味い飯を食いたいからな。」

〔あ、ありがとうございます!‥‥‥〕


うんうん、喜んでくれて何よりだ。

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