第3話

ユミコがぐったりと横たわり、息を整えていると、何やら周りの草陰から、人の気配がした。ですが、ユミコの体は疲労と不安によって重く、どうしても起き上がることができません。突如として周囲が明るく照らされ、ユミコの目はまぶしさで相手の顔を確かめることができませんでした。


目を細めて、そちらをなんとか凝視すると、そこにいたのは男性二人組でした。彼らは不思議な光を放つ棒のようなものを手に持っていました。


「おい!そこで何をしている!」


男性の一人が厳しい口調で叫びました。ユミコは動揺して、心臓が早鐘をうちはじめましたが、なんとか彼らに答えました。


「私は突然誰かにここに連れてこられたようで、今どこにいるのかもわかりません。」


ユミコの声は微かに震えていました。しかし、男性たちは彼女の言葉を信じる様子もなく、ますます不審に思っている様子でした。


「なんだと?怪しい。今すぐ身柄を拘束させてもらう!」


もう一人の男性が厳しい口調で告げました。ユミコは恐怖に包まれ、自らの身柄が拘束されることを覚悟しました。


そして、男性たちは彼女を制御するために身体を拘束しようとしました。不思議な棒を振りかざしました。一体何をしているのかわかりませんでしたが、何か見えない力によって、ユミコの手の自由が奪われ、そのことにユミコは強い恐怖を感じました。


「な。何をしたの?腕が動かない…」


男性はユミコの無知さに眉を顰めました。

「何って…お前に身体拘束魔法をかけた。そんなことも知らないようなら、解除するのは不可能。無駄な抵抗はよすんだな。」


そう言って、ユミコの背中を小突いて、どこかへ連れて行こうとしました。

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