「行方不明になってまだ一週間なのに、きれいに白骨化して発見だなんて時間の流れが狂ってますよ」
もしくは死体を処理して骨だけにし、直立姿勢にわざと埋めたか。
まさかな、と松永は考えた。まるで意味がない。手間がかかりすぎるし、道から見える場所だけに人目も気にするはずだ。
「そういえば、妙な話を聞いたんですが」
笹埜が続ける。「なんでもあの土地には、人を引きずり込む底なし沼があるとか、自殺者の幽霊が出るとか、妙な黒い影が歩いてて人を襲うとか、人魂が浮いてたとか、挙げ句に上空にUFOが飛んでたとかいう噂まであって」
「くだらん」と、松永が仏頂面で答える。「底なし沼は無い」
「そうなんですか」
ああ、と返す。現地で確かめたからよく知っている。
「陰気な地形だから、通りから離れた大木に首をくくった自殺者が年一くらいの頻度で見つかるからな。地主が住んでた屋敷が奥のほうにあって、もうとっくに廃屋になってるが、たまに住み着くヤツがいる。そこでも不審死したのが発見されてる」
えっ、と笹埜は言葉を失った。
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