第4話 悪の組織に入る…?

「あなたには、私たち……闇の軍勢のボスになってもらい…この世界を復讐して欲しいのです。」


 と、言われて僕は即答で断る事にした。


「嫌だ。僕はそんな目的の為に……この能力と契約したわけじゃない!!」


 僕はそう返した。

だけど、急に現れた奴にとある人物を人質に取られた。


 その人物は……そう。僕が大好きな姉さんだった。


「ぐっ……。卑怯な……。」


「ふふっ。私達と一緒に来てくれるなら貴方のお姉さんを人質に取るのを辞めましょう。それに……私達が望む世界は貴方にとっても都合が良いはずです。」


「どういう意味だよ?」


「言葉通りの意味ですよ? 私達は貴方に危害を加えるつもりは一切ありませんから。」


「嘘つけ!! お前らは……僕の大切な人を傷つけたんだぞ!?」


「まぁ……いいでしょう?? では、こうしましょう。私はこれから貴方を懐柔する為に様々な手段を使います。それで貴方の心が揺れれば……貴方のお姉さんを解放しましょう。ただし、もし心が揺るがなければ貴方のお姉さんの命は無いものとします。」


「くそっ……。なんて卑劣な……。」


「さあ、どうされます? 私達のボスになるのかならないのか……どちらになさいますか?」


「わかったよ……。だから……姉さんに手を出すんじゃねぇーよ!!」


「わかりました。それでは交渉成立ですね♪」


 こうして僕は不本意ながら……悪の組織である闇の軍勢のボスになったのだ。


 あれから、もう……1週間が経過した。

行動をする度に……僕が個人として起こした事件で見せた姉さんの顔が浮かび上がる。


 それと同時に、人質となって死んで行く姉さんの光景も見える。


 皆に問いたい……。

僕は、これからどうすればいいのだろうか?


僕は、これからもこの闇の軍勢のボスとして戦わないと行けないのだろうか?


僕は、これからも誰かを蹴落として、闇の軍勢に居る奴らを幸せにしないといけないのだろうか?


 それとも、このまま逃げてしまおうか?

……いや、それは出来ない。

……何故ならば、既に僕は契約してしまったからだ。


 一度交わした契約を破棄する事は、姉さんの命に関わると言われていた。

だから、どうにでも出来ないのだ。


皆に再度……問う。俺は一体……

……どうしたら、いい?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る