出逢い 2 結婚
健と同棲してから1年以上が経とうとした頃でした。
健の田舎の友人や健の母親からの勧めもあり、私たちは結婚することにしました。
私は34歳、健は30歳になっていまいた。
健との相性は最高に良かったのです。
私は、結婚を機に某大手電機メーカーを退職しました。
専業主婦になることに決めたのです。
私は、専業主婦の仕事を楽しみました。
お昼なども健の昼食を作り健が帰ってくるのを待っていました。
健との楽しい結婚生活はとても穏やかで幸せな時間でした。
相変わらず、健の田舎の友人との交流も盛んにありました。
私はGW、お盆、お正月などには必ず健の田舎に一緒に帰っていました。
私たちは友達のような夫婦でした。
自室の部屋を持ち、お財布も別々でした。
健はとても堅実な性格でした。
一緒に暮らしてみてそれに私は気が付いたのです。
健はお金に対してとても厳しい人でした。
自分の価値観に合わないと私は何も買ってもらえなかったのです。
お金の主導権は常に健にありました。
私は毎月生活費として健からお金をもらっていました。
実のところ、その生活費だけでは足りなかったのです。
私はお金の主導権を健から奪うことができませんでした。
主導権を握れなかったのです。
生活費が足りない分は自分の貯金から出したりしていました。
そんな小さなことが積み重なってゆきました。
結婚してから3年くらいたったころだったと思います。
私と健の夫婦生活は傾き始めたのです。
私と健はセックスレスになってしまったのでした。
私はこれを機に、犬を飼うことにしました。
お互いのかすがいになるものが欲しかったのです。
レス状態になっても私の健への想いは変わりませんでした。
それから時間は流れてゆきました。
結婚して7年を迎えようとした頃でした。
母の子宮がんが再発したのです。
母の余命は2~3か月であると医師から告げられました。
私は母の残りの時間を一緒に過ごしたいと思いました。
毎日、母のいる病院へ看病に行ったのです。
しかし、看病の甲斐もなくこの年の4月に私の最愛なる母がこの世を去りました。
65歳と言う若さでした。
私は嘆き悲しみました。
この気持ちを健に理解してもらいたかったのです。
でも、毎日嘆き悲しむ私を見ても健は声を掛けてくれませんでした。
多分、健はどう声を掛けて良いのか分からなかったのです。
私はとても悲しく、孤独を感じていました。
その孤独と悲しみを癒してくれていたのが当時飼っていた犬と猫でした。
私と健の関係は益々悪くなっていきました。
私と健はある日、些細なことで口論となりました。
とても些細なことでした。
私はその喧嘩が終わると自室にこもってしまいました。
私はこの時、健と離婚をしようと考えたのです。
それはとても衝動的なものでした。
私は翌朝、健に離婚届を渡しました。
受け取った健はとても驚いている様でした。
「1週間まってくれないか…」
健はそう私に言ってきました。
離婚届は1週間保留にされました。
そして1週間後、健は離婚届にサインをして私に渡してきました。
こうして私と健は離婚してしまったのです。
私はこれを機に、健と暮らしたマンションを出て健のマンションからそう遠くない場所に一軒家を借りました。
そこに飼っていた犬と猫と共に引っ越したのです。
法律上離婚した後でも健とは仲が不思議と良かったのです。
私自身、これはとても驚きでした。
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