出逢い 2 夢
私は犬と猫との生活になりました。
そんなひとり暮らしを始めて少し経った頃でした。
また、私は夢を見たのです。
こんな夢でした。
いつの時代かははっきり分かりませんでした。
大広間に沢山の人たちがいました。
私の父フランクがベッドに横たわっていました。
父は私の母さゆりであると直ぐに分かりました。
臨終の場面の様でした。
私は男性で名前をアランと言い年齢は25歳でした。
兄が見えます。現世では健でした。
過去生ではアルバートと言い年齢は27歳でした。
アルバートとアランは兄弟でした。
とても仲の良い兄弟です。
子供の頃アランはいつも兄のアルバートの後を追いかけてゆくのです。
アルバートは2歳下のアランをとても可愛がっていました。
アランはアルバートの友達ともとても交流が深いのです。
アランとアルバートの父は貿易を仕事としているようでした。
今、見える光景は父フランクの遺産相続の場面のようでした。
フランクは臨終を前にして兄のアルバートにこう言いました。
「アルバート、後のことは任せたぞ」
「わかりました。父さん」
父フランクは弟アランのことをとても可愛がっていました。
兄アルバートよりも愛しく感じていたのです。
アルバートは兄弟でありながらもアランに嫉妬しているようでした。
父フランクはまもなくして亡くなってしまいました。
遺産相続の遺言書にはこのように書かれてありました。
「遺産の3分の2をアランに与える」
それを聞いた時、兄のアルバートは激しく怒りました。
兄である自分がなぜ3分の1だけしかもらえないのかと。
あんなに仲の良かった兄弟が、この機を境に二人の関係は悪化していったのです。
アランはなぜ父フランクが自分の方に多くの財産を残したのかわかりませんでした。
実は、アランとアルバートは本当に血のつながった兄弟ではなかったのです。
アランはフランクとメリーベルと言う女性の間にできた子供でした。
アランはその話を母であるマリーから聞いたのでした。
それを聞いた時のアランのショックはひどいものでした。
アランは愛人との間にできた子供だったのです。
父フランクは愛人との想い出の子アランを兄よりも愛していたのです。
父フランクと母マリーとはもう結婚生活は終わっていたのでした。
母マリーは現世で私の叔母に当たる静香であるとわかりました。
アルバートはアランを毛嫌いするようになりました。
主導権争いがここから始まったのです。
アルバートはアランをどうしても屋敷から追い出し財産を自分ひとりのものにしたい様でした。
アランに遺産放棄を迫ったのです。
アランも負けてはいられませんでした。
何とか兄に逆らうも、兄の友人やその人脈には勝てなかったのです。
アランは徐々に追い込まれ一人になりました。
アルバートはアランに罠を仕掛けました。
財産放棄ではなく全財産をアランに譲るという嘘の契約書にアランにサインさせたのです。
アルバートもアランもお金と言うものに振り回されていたのです。
アルバートはアランを信用していませんでした。
アランも同じくアルバートを信用していませんでした。
お互いの信頼関係などなかったのです。
アランは屋敷を追われて、今でいうホームレスとなりました。
アランは日々食べるものにも困るようになりました。
その年は疫病が町を襲っていました。
私アランはその疫病にかかってしまい死んでしまったのです。
また、まばゆい光が私を包みました。
その光はとても優しく暖かで穏やかでした。
私はこの光の中にいるのが好きでした。
そこで目が覚めたのです。
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